隣室から「ジャラジャラ」と奇妙な音が…
ある日の深夜、隣の部屋から「ジャラジャラ」という音が聞こえて来たんです。正直、こんな深夜に迷惑だなと思いながらも、暫くしたら静かになるかも知れないと、我慢して寝ようとしました。
しかしその音は、数分置きに聞こえてくるんです。一体何の音だろうと意識して聞くと、それは麻雀の牌を混ぜる音だと気がつきました。私は注意しに行こうかとも思いましたが、揉めるのも嫌なので、イヤフォンをつけて寝る事にしました。ノイズキャンセリング機能をオンにすると、音は全くしなくなりました。これで安心して寝られると思った瞬間、突然聞いたことのない音楽が流れて来たんです。思わずイヤフォンを外しましたが、音楽はまだ流れていました。誰の機械に繋がってしまったんだろうと考えていた次の瞬間「ピンポン、ピンポン」と部屋のインターフォンが鳴り出したんです。こんな夜更けに誰かと思い、室内のモニターを見ると、そこには見ず知らずの男性が立っていたんです。
インターフォンの通話ボタンを押して、恐る恐る「はい」と言うと、男性は何も言わずに立ち去りました。酔っぱらいに違いない。私はそう思いました。そして男性が居なくなってからは、隣のジャラジャラという音も、イヤフォンからの音楽も消えていました。
顔見知りの住人の目撃談
翌朝になって買い物に出かけようと外に出ると、同じ階の顔見知りの住人の方にこんなことを言われたんです。
「昨夜、遅い時間に帰って来たんですけど、葉山さんの部屋の前に誰か立ってましたよね」と。
この方は、私の部屋から3つ離れた部屋の方で、昨夜、深夜2時頃に帰って来られた時に、私の部屋の前に何もせず、ただジッと立っている男性を見たそうなんです。一旦部屋に入った後、何となく気になり、玄関を開けて再び私の部屋の方を見ると、まだ男性が立っていたそうです。そして、インターフォンに手を伸ばして、ボタンを押した後、暫くすると、私の部屋の隣の部屋へと消えていったと言うのです。
私はこの方が「消えていった」と表現されたのが気になって「消えたとは、部屋の鍵を開けて、部屋に帰られたと言うことですか」とお聞きしました。
すると「鍵も何も、あの部屋には誰も住んでいませんよ」そう言われたんです。
私はゾッとしましたが、この方は続けてこう仰いました。
「このマンションは色々あって、頻繁に出るんですよ」と、手をダランと前に出してお化けの様にさせながら教えてくださいました。
実は私は、この方の話も半信半疑でした。先程決定的な事が起こったと申しましたが、それはこの日の深夜に起こったことなんです。