社会は加速度的に変化しているのに、組織はこれまで通りの管理志向を続ける。起業家であり経営学者でもある著者は、たった一人でも、そんな旧態依然とした組織を変えられると訴える。
「コロナショックの影響もあり、新しい働き方や生き方を目指す人が増えています。一方、経済至上主義のまま、時代の変化や現場の声に目を向けようとしない組織も少なくありません。実は私も、管理主義的な組織構造が一因となって転職した経験があり、著者の意見に希望を感じました」(担当編集者の石井一穂さん)
トップダウンではなく、社員が主体的に協力して成長する組織に現場から変えていく。そのメソッドを、100以上の図版やイラストを交え丁寧に解説している。
「本作りは一般的には編集者が中心になって進めていきますが、本書は企画段階からデザイナーやイラストレーターにも議論に加わってもらいました。誰かひとりが舵取りをして全員を動かすのではなく、それぞれが専門性や個性を自由に発揮し、共に作り上げていく。本書で伝えていることを実践する形になり、結果として、新しくて、幅広い世代が共感できる奥が深い本になりました」(石井さん)
著者のもとには刊行から半年で100以上もの講演依頼が届くなど、反響は大きい。講演先の企業からは「社内の雰囲気が変わった」といった声も、多数届いている。