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「自分は不器用なので、人の何倍もやらないと」…「鎌倉殿の13人」小栗旬の流儀

「カタルシスを求め、どこか劇的な表現の切り口を探していたディレクターはとても悩んでいたと思います」

 

 小栗旬(39)に密着した『プロフェッショナル 仕事の流儀』についてそう語るのは、所属事務所「トライストーン・エンタテイメント」の山本又一朗社長だ。

主人公は後の鎌倉幕府2代執権・北条義時(「鎌倉殿」HPより)

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で主人公・北条義時を演じる小栗。大庭景親役の國村隼が撮影現場を振り返る。

「小栗君とは『日本沈没』(TBS)でも共演して、『ずっと一緒の感じがするね』と話していました。彼は、場の空気がどうかなって常に神経を張っている。物凄く気遣いができる役者です」

 親交があり、義経の兄・義円を演じた成河(そんは)が続ける。

「旬のリーダーシップは1、2歩引きながらも、確実に皆を引っ張ってくれるところ。周りを見ながら行動する姿は義時っぽくもあった。現場では彼のさりげない声掛けに助けられました」

 姫に扮した頼朝を乗せた馬を義時が走らせる場面で1話は始まったが、馬術指導の田中光法氏が語る。

「撮影半年前から乗馬の練習を始めていた。目標は両手を離し、矢を射るという流鏑馬(やぶさめ)。難易度は高かったですが、見事にマスターしました。今では芸能界1、2を争う腕前だと思います。撮影中は『わざとNG出していいですか? もっと馬に乗っていたい』なんて言っていたほどです(笑)」

 殺陣・武術指導の辻井啓伺(けいじ)氏も舌を巻く。

「鎌倉殿に向け、自分で日舞を習ったり、素振りを何本もやったり……自主的に稽古を積んでいたみたいです。剣の使い方も自ら学んでいた。『時代劇を初めてやった頃は“腰が高い”と注意されることもあった』と言っていましたが、今回は本当に素晴らしいです」

 だが、周囲の高い評価とは裏腹に、小栗はこんなことを洩らしていたという。

「自分は不器用なので、人の何倍もやらないと追いつけないんです」――。

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