月日が経つのは本当に早いです。子どもトレンドの一年を振り返るということで今回のお題をいただき、ちょうど一年前の弊誌「コロコロコミック」をパラパラと眺めました。突然ですが、去年の今ごろ子どもたちの間で一番人気のあった芸人を覚えていますか? 一年前の号にてギンギンの笑顔で誌面に登場していたのが、今となってははるか昔のようにも思えます。その方は……、そうです! ピコ太郎です。もちろんピコ太郎さんは今も活躍していると思います。でもクラスの人気者のお笑い好きな小学生男児が「35億!」とドヤ顔で言ったとしても、もう「PPAP!」とは言わないでしょう。そう、大人たちの世界と同様に子どもたちのトレンドも移ろいやすいのが常です。
子どもの脳内は好奇心のみ、脈略は二の次
そんな移ろいやすい読者を相手にしている「コロコロ」の誌面は、ある意味子どもたちの頭の中そのものを目指しているのかもしれません。かつて「コロコロ」を愛読してくれていた方であれば理解いただけるかと思うのですが、「コロコロ」の誌面レイアウトやページ構成は、大人から見ればかなりめちゃくちゃです。読めないと思います。ですが、編集部は読者の特性をこうとらえています。さっきまでAの事を熱心に話していたと思っていたら、いつの間にか意味が取りづらくなって、よくよく聞いたらとっくに話題はBに移っていて、おいおいと思ってる間にあっという間にCへと変わっている。
大人から見れば意味不明でも、小学生男児にとっては当たり前。脳内は好奇心のみ、脈絡は二の次です。
だから「コロコロコミック」の誌面は、できるだけそんな子どもたちの頭の中に近づければと思っています。そんな毎日を過ごしながら誌面作りをしていますので、申し訳ないですが、お題に対して評論家のように系統だった解説をしてゆくことはできません。私たち編集部が、日本中の小学生男児を熱狂させるべく誌面作りをする際に最も重要視しているのは、日本の子どもたちを取り巻いているリアルな“気分”をとらえることだと思ってます。