昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

 翌日、お腹を割いてみると……魚から発生したとは思えない刺激臭が鼻孔を襲った。確かにアンモニア臭が尿を連想させる。個人的な感覚になってしまうが、田舎の祖父の庭にある大きなバケツに詰まった焼却前の生ごみに近い気が……。おっと、うっかり食レポ記事であることを忘れてしまったが、オブラートに包まず正直にレポートしたい。

ゼンマイと言われるアイゴの内臓
お酒で洗って臭みを落とした状態

 またアイゴの内臓は、他の魚と違って消化器官が丸く収まっていることからゼンマイに例えられている。胃と腸の入り口側の内容物(恐らく当日撒いた未消化のコマセ)だけ取り除いた。

 半身は刺身にして、残りの半身と内臓は煮つけにした。

 さあ……食べるぞ。

懸案のアンモニア臭は

 まずは刺身から。

アイゴのお刺身

 身は非常にタンパクで味、香り共に控えめ。食感も高級魚の持つそれとは違い、噛み応えが薄かったが上品な味わいではある。もっと熟成させれば旨味が引き立つかもしれないので、次回試してみる価値はある。

 救いとしては、切開時に放たれた激臭は身から一切感じられなかった。アンモニア臭も血抜きをすれば身に移ることはないのだと分かった。

 続いて煮つけ。

アイゴの煮つけ

 こちらは逆に身が引き締まり、硬いとさえ感じるほどだった。弾力を楽しむには良いが、こうなるとタレが口の中で身に絡みづらいので、甘辛く炊いて一度冷やしてしっかり味を乗せた方が良さそうだ。

内臓のお味は…?

 やはりアイゴのアイデンティティは内臓にあるのか?

内臓脂肪で煮汁がコテコテになっている

 しっかり煮詰まった内臓を恐る恐る口に含んでみると……美味い!