バレエの枠をはみ出して燃え上がった炎上騒動
今年1月15日、年下のバレエYouTuberから「金や再生回数のために猥褻な動画を上げている」と強烈な批判を受けた「ヤマカイTV」。数日後、この件をヤマカイさん自ら「ヤマカイTV」の動画として取り上げたことで、視聴者に大きな反響を呼んだ。
その後、視聴者間での論争が激化。本人たちと関わりがないところで、ジャンルを超え、多くの著名人やYouTuberが、さまざまな意見を発信。一方で「ヤマカイTV」は「この件はこれで最後です。そして活動休止します」というタイトルの動画を公開して動画配信やSNSを休止。その12日後、YouTubeに復帰した。
――ヤマカイさんは、他の人の動画は見るんでしょうか?
ヤマカイ 基本的にYouTube動画はそんなに見ないですね。でも周りを研究するのはYouTuberの大事な仕事なので、サムネイルのタイトルだけはバーっと見ます。YouTuber同士は、サムネイル見るとだいたい動画の内容がわかるんです。
――そうすると、くだんの動画の「バレエを広めたいという大義名分を掲げて卑猥な動画をあげて登録者数とお金儲け稼ぎをしている人について思うこと」という文字のサムネイル(※)をたまたま目にしたのでしょうか?(※現在該当のサムネイルは変更されている)
ヤマカイ もともと、バレエYouTuberとして彼の存在は認知していて、応援する気持ちがあったんです。それであのサムネイルを見かけて、僕の「YouTuber脳」にパッと浮かんだのが、「彼はそっちでやって行くのか」ということでした。人を批判して、それを動画にするのも、1つのエンタメではあります。それで再生回数は伸びるし登録者も集まるけど、一度それをやると、シバターさんみたいに批判する動画を出し続けなければいけなくなるでしょう?
――動画を出して、ヤマカイさんが自ら関わっていった理由というのは?
ヤマカイ エンタメとしてプロレスをやろうと考えたところもあるし、僕に対する彼の意見が「なんだこいつ、気持ち悪い」みたいな、ライト層が思うであろう批判だったので、対話式で動画を作れば僕の考えを説明できるチャンスと感じたところもありました。彼にも僕のアンサーに対して「ああ、そういうことなら、こう思います」と対話してもらって、それでお互いのメリットがある形で終われればと思っていました。
――活動休止に踏み切ったのはどうしてだったんでしょうか。
ヤマカイ 端的に言うと、僕の気持ちを落ち着かせるためです。ふっかけられた議論に向き合ったけれど、それっきりになってしまったから、その状態でただ動画を作っても、残った行き所のない感情が透けて見えてしまう。それと「炎上してるのでちょっと離れたい」と感じる視聴者が気持ちよく戻ってきて、また動画を見てくれる流れを作りたかった、というのもありました。