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面白系YouTubeチャンネルになった「ヤマカイTV」

――バレエ界だけでなくより大きいターゲットに向けて始まった「ヤマカイTV」ですが、“面白寄り”になったのはなぜなのでしょうか?

ヤマカイ YouTubeはエンタメだし「広める」ためには、たくさんの人に見てもらうことが必須です。“バレエダンサーとして”という考え方だと枠からはみ出すのが難しかったので、自分を“YouTuber”に置き換えてみたんです。「じゃあYouTuberって何をやる?」というと、面白というか、エンタメじゃないですか。

【神回】プロが「ミックスナッツ」をガチで踊ってみた。(SPY×FAMILY)(「ヤマカイTV」より)

 

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プロバレエダンサーによる「アキラ100%」(「ヤマカイTV」より)

――「ヤマカイTV」は最初から収益が望めたんですか?

ヤマカイ いいえ。特にはじめの1カ月は本当に「シーン」という感じで……。でも毎日、登録者がちょっとずつ増えていくのが楽しかったし、収益にならなくても「やればできる」みたいな自分への期待があって「いつ当たるかな」というワクワク感がありました。

――「ヤマカイTV」はその後登録者数が順調に増え、60万人を超える人気チャンネルになりました。自分には影響力があると感じるようになりましたか?

ヤマカイ それは全くなかったですね。というのは、日本でYouTubeをやってる方とは違って街で声をかけられるようなことがないし、実感が湧かないんです。日本人と会話する機会もあまりなかったですしね。

【いちゃいちゃ】男女プロバレリーナ2人でツイスターゲームやったら色々ヤバすぎた。(「ヤマカイTV」より)

――「ヤマカイTV」が人気になったことで、行動や動画の内容について、気をつけていたことは何かありましたか?

ヤマカイ 人気とは関係ないですが、バレエダンサーとしての立場というのもあるので「型破りなことはするけど、ルール違反はしない」ということは、当初からずっと考えていました。そういうなかで、YouTubeを兄と一緒にやっていくということは、かなり重要でした。社会人を経験している一方でバレエ界を全く知らない兄には、一般的な感覚がありましたから。

 バレエダンサーは小さい頃から偏った世界で生きていくので、考え方が固まっていくと思うんです。例えば、バレエ界の人がこだわってタブーと感じるようなことを、一般の人は「なんでそうなるの?」と疑問に感じる。逆にバレエ界の人が「普通」と感じることを、一般の人は「そんなことしちゃダメ!」と憤ることがある。

 バレエに限らず、専門的なことだけをやってきた人がSNSで発信を始めるとちょっと危ないと感じることがありますよね。業界の常識として発信したことであっても、業界以外の一般の人の目にも触れるわけですから。