Q 大統領公邸が民衆に占拠されたスリランカ…何が起こっているの?
ニュースを見ていると、経済危機が深刻化したスリランカで大規模なデモが起こり、デモ隊がゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の公邸を占拠。公邸に入った人たちがプールで泳いだり、ジムでトレーニングをしたり、ベッドに寝転がったりしているようすが流れ、衝撃を受けました。
どうして、スリランカはここまでの大混乱になってしまったのでしょうか。(50代・女性・無職)
A まさに「債務の罠」にはまってしまったのです
一言で言えば国民の支持を得ようとするポピュリズム政治家が、国の経済力に見合わない公共事業を次々に始めたということです。
たとえば首都から遠く離れた熱帯雨林の中に1500人収容の大会議場や3万5000席を備えたクリケット競技場、巨大な国際空港を建設しましたが、どれも使われていません。
こうした経済合理性のない建設計画に対しては、世界銀行もアジア開発銀行も融資をしてくれませんが、中国は喜んで高金利で資金を貸してくれます。結局、返済ができなくなり、中国に運営権が渡ることになります。
スリランカのハンバントタ港も2017年7月より99年間にわたり中国国有企業に貸し出されることが決まっています。
まさに中国の「債務の罠」にはまってしまい、財政破綻したのがスリランカなのです。