「3代目のうちの社長は、従業員にこれでもかとパワハラを繰り返すヤバい社長で、あだ名は金正恩。その金正恩が、ある日を境にぱったりとパワハラをしなくなりました……」

写真はイメージです ©getty

 このところ、エイベックス・松浦会長の女性蔑視発言、システナ・逸見会長のパパ活飯田グループホールディングス・兼井社長のパワハラなど、上場企業経営者の不適切な言動が問題になっています。経営者を監視する体制が確立されている上場企業でもこの有様ですから、全国にはこうした「ヤバい社長」がごまんといることでしょう。

  ヤバい社長から直接被害を受けるのが、そこで働く従業員。世間では、よく「そんな会社、さっさと退職するしかないでしょ」と言われますが、転職して年収が大幅ダウンになることも多く、ベストの対応とは言えません。ヤバい社長と縁を切る前に、何とかヤバい社長の言動を変えることはできないものでしょうか。

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 今回は、勤務先の経営者がパワハラ・セクハラ・公私混同など問題のあるヤバい社長という場合の従業員の対処方法を考えてみましょう。

絶対にやってはいけない「直談判」

 まず、やってはいけない対処方法から。一番やってはいけないのは、ヤバい社長に言動を改めるよう直談判することです。

 直談判してヤバい社長が言動を改めてくれれば良いのですが、たいていのヤバい社長は従業員のことを虫けらのように考えており、虫けらからの忠告に素直に耳を傾けたりはしません。良い結果はほぼ期待できないと覚悟するべきです。

 逆に、虫けらから思わぬ「攻撃」を受けたヤバい社長が逆上するというケースがあります。機械メーカーで総務担当をしている大谷研二さん(仮名)は、公私混同や会社の資金の私的流用を繰り返す社長に直談判し、悲惨な目に遭いました。