1ページ目から読む
2/5ページ目

 いい雰囲気だ。決して広くはないのに、空間が広くとられているせいか狭くは感じない。本棚には、「ビッグコミックオリジナル」や「三丁目の夕日」。こうでなくっちゃ。

 ほどなく登場した餃子は、いい具合に焦げ目がついていて、文句なしにうまそうだ。ただし神戸では、餃子には味噌だれをつけるのが一般的。甘めの味噌は好みが分かれるところかもしれないが、それはそれでビールが進む。途中で酢醤油にチェンジしてみたりして食べ進めたら、あっという間に皿が空いてしまった。

 
 

 ところで献立表に、「フヨウハイ」という見慣れない名前を見つけた。友人に尋ねてみたところ「芙蓉蟹」と書くそうで、「中華屋に入ったら普通にどこでもある」のだという。どんなものが出てくるのかと思っていたら、要はかに玉である。食べてみれば、これが非常に濃厚な味わい。「かに玉って、こんなにおいしかったっけ?」と感じつつ、ついまたビールに手を伸ばしてしまうことに。

ADVERTISEMENT

 

 続いて運ばれてきた五目焼メシも、見た目からして大合格。なにせ、こんもりと盛りつけられた焼メシの上に目玉焼きが鎮座しているのである。しかもよくみれば、その下にチャーシューが敷いてある。これはうれしい。

 
 

 目玉焼きを見るとテンションが上がってしまうのは、私だけではあるまい。ワクワクしながら黄身を壊してみれば、パラッとした焼メシの塩味にほどよいまろやかさが加わる。