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78歳店主が営む“地元の人気店” 中崎町の中華料理屋で「350円のラーメン」を頼んだらホッとした!

B中華を探す旅――中崎町「八番」

2021/04/12

genre : ライフ, グルメ

「B中華を探す旅・大阪編」の取材を行ったのは2020年10月下旬、すなわち新型コロナ第3波到来直前のことであった。2泊3日で3軒を訪ねたわけで、うち2軒(「さか市」、「桃園」)はすでにご紹介済みである。

 ところが、そののちボーッとしていたら(というわけでは決してない)時間が矢のように過ぎていき、気がつけば新型コロナも第4波が訪れようとしている。ウェブメディアにあるまじきスローペース。我ながら呆れるばかりだが、今回はいよいよ、残す1軒をご紹介したいと思う。

今回訪れたのは中崎町にある「八番」

梅田からも徒歩圏内のB中華

 訪ねたのは、梅田からも徒歩圏内にあり、地下鉄谷町線・東梅田駅から1駅の中崎町駅。2番出口を出て進むと、濃厚なレトロ感を漂わせるB喫茶が営業していたりして、なかなか雰囲気のある町である。

 だが家賃が安いこともあり、最近では古い建物をリノベーションしたカフェや雑貨屋も増えているらしい。そんな、古いものと新しいものが共存している町を歩くこと約2分。見落としてしまいそうな細い筋を入ると、今回のお目当てである「八番」が現れた。

 
 

 やや煤けたオレンジ地の日除けテント看板に、「ラーメン・ギョーザ 中華料理 八番」の文字。暖簾は赤い地で文字は白抜き。「ラーメン」と書かれた赤い提灯はビニールで覆われている。

 キリンビールのマークが入った立て看板の、派手に割れた形跡もいい味わいだ。すなわち、B中華としては理想的な外観だといえる。

まずはビールを注文!

 しかし、そこまでなら想定内だったのだ。ところが足を踏み入れてみると、内部はなかなかにブルージーである。などと曖昧な表現を使ってしまったが、早い話がとても古く、お世辞にも清潔な感じではない。

 けれども、それがいい。

 
 

 右側が厨房になっていて、向き合う形で5脚の丸椅子が並ぶ赤いカウンター。ただし、その半分は小物置き場と化しており、実質的に座ることができるのは手前の3脚だけだ。

 左側にはテーブル席が2つあり、ちょうどいいタイミングで空いた奥のテーブルに座る。狭い店内を見回しながら、まずはビールを注文だ。そしてメニューをチェックして、鶏からあげ、餃子、豚肉玉子イタメを頼む。

 すでに頼みすぎだという気もするが、同行してくれた大阪の友人は食欲旺盛なので安心だ。それに、なんだか、いろいろ頼みたくなっちゃうような雰囲気なのだ。安いし。