神戸で見つけた“小さな中華料理屋”　70歳店主がつくる「480円のラーメン」は絶品だった！

「いまはもう、量より見映えやな」

　聞けば、グルメサイトにはあまりいい印象をお持ちではない様子。メディアを見て来た人は「来てしゃべっとって、2回来うへんもん」というのがその理由だ。昔は、足繁く通ってくる団塊世代のお腹を満たそうと量でサービスした。そんな過去があるからこそ、「いまはもう、量より見映えやな」と嘆く。

「写真だけ撮ってね。ひとつを1人で食べるんならええけど、注文は1個で、『小皿ちょうだい』って。とりあえず何人かで来て、注文もなんぼもせんと。（メディアに）載っとるところに行ったいうだけ。で、洗いものだけ増えて（笑）」

　これは決して無視できない問題だ。「客なんだからなにをしてもいい」という意見もあるかもしれないし、ある意味で、それも間違いではないだろう。しかし当然ながら、客側にも守るべき最低限のエチケットがあるはずなのだ。

「だから載るだけならええけど、それでなにかになることはない？　正直、とりあえず儲けたいとか、そんなのは全然ないから。テレビみたいに、次の日に客がいっぱいになったとか、そういうのは困る」

「そういうことが目的ではないので」とお伝えしていたとき、お孫さんらしき少年が現れ、そのまま厨房へ入っていった。小学校高学年か、中学生くらいだろうか？　もしや、お孫さんは将来的な後継ぎ？

「継ぎへんよ（笑）。あれはでも、焼メシ焼くの好きやけど」

　だから閉店時刻を過ぎると、ふらっとやってきて焼メシをつくるのだそうだ。もしかしたら数十年後には、お孫さんがこの地で焼メシ専門店を開いているかもしれない。

2022/8/8 12:32 タイトルを修正しました 。

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