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AVデビュー前「シャワーを浴びながら泣いてしまった」

――AVデビューしたことに後悔はありましたか?

結城 最初の撮影の時は、もう後戻りできないという恐怖や、両親への申し訳なさで、更衣室でシャワーを浴びながら泣いてしまったのですが、後悔の気持ちはまったくありませんでした。デビュー前から大きな反響をいただいて嬉しかったし、AVに出たことで貧乳というコンプレックスを自信に変えることもできました。きっかけはどうあれ、結果的にAVは天職だったなと今でも思っています。

 

――AVデビュー後、結城さんはさらに薬物にのめり込んでいきます。何があったのでしょう?

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結城 正直にお話ししますと、デビューしてからの3カ月くらいは、薬物をうまくコントロールすることでポジティブに過ごせていると錯覚していました。薬物の高揚感を借りて前向きさを保ちつつも、撮影前の1、2週間はしっかり薬を抜くようにしていたので、誰にもバレない自信もあった。

 それに、当時の私は、その男性のことを本気で好きだと信じ込んでいて、彼に嫌われたくないから薬物をやるしかなかった。でも、彼が2020年10月に薬物依存の更生施設に入ったことをきっかけに、あることに気が付いてしまったんです。

――何に気がついたんでしょう?

結城 薬がすぐ手に入らなくなって、薬がほしくてほしくてたまらなくなったんです。それで「男性に恋してたんじゃない、薬物に恋してたんだ」って。そこから、自分で薬物を買い求めるようになりました。

 

――そこから一人で覚醒剤を使うようになってしまったと。

結城 AVの撮影は月に数日ですが、変な話、報酬は束になるくらいの額をもらえます。時間とお金を持て余して、夜にホストクラブを飲み歩いては、覚醒剤を求めるという生活でした。お金で楽しい時間が買えるっていうのを覚えてしまったんですね。夜の街でちやほやされることで、将来の不安をかき消していたのかもしれません。薬の効果をはっきりと自覚したのもこの頃です。

 ある夜、ふとプラスチックの板にカッターナイフで彫刻をし始めたのですが、気が付いたら7時間くらいそれに熱中していたんです。「私は彫刻が好きなんだ!」「趣味を見つけた!」と思ったんですが、「いや待てよ、これは薬で集中してるだけだ」って……。そこからですね。何かが吹っ切れてしまった。