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「仕事で1日に3合は食べます」炊飯器開発の“ナゾのスタッフ”すごすぎる「ライスレディ」とは?

「仕事で1日に3合は食べます」炊飯器開発の“ナゾのスタッフ”すごすぎる「ライスレディ」とは?

2022/08/11
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そもそも「ライスレディ」ってなんだ…?

 その存在を知る人はほとんどいない「ライスレディ」。そもそも、いったいどのような組織なのでしょうか?

ライスレディのみなさん

「結成されたのは『マイコンジャー炊飯器』と呼ばれる製品が発売された1979年ごろ。もう40年以上経ちます。正式な名称は『Cooking@Lab 炊飯部』と言い、20~50代で構成された6人のメンバーがいます。

 私たちは炊飯部ですが、最近の炊飯器は煮炊きなど炊飯以外の調理もできるので、その場合は『マルチ調理部』としても活動します。ほかにも『レンジ部』『IHCH(クッキングヒーター)部』『ベーカリー部』『マルチ調理部』『冷凍冷蔵部』などがあり、いずれも調理家電や食に精通する専門知識を有した集団です」(ライスレディさん、以下同)

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昔の炊飯器と言えば、スイッチをいれるだけでごはんが炊けたコレ。炊飯専門で保温機能がなかった
マイクロコンピュータを搭載し、ガスレンジで炊飯するように細かな火加減を調整して炊けるようになった。また保温機能「ジャー」が付き、いつでもあたたかいごはんが食べられるようになった

 マイコンジャー炊飯器とは、初めて炊飯器にコンピュータが搭載され、火加減を“はじめちょろちょろ……”と調整して炊飯するようになった製品。以降、加熱用ヒーターがIHに変わり、より多彩なメニューを持つ炊飯器が登場しました。炊飯器としてのハードウェアの機能向上もさることながら、「おいしさの秘訣はソフトウェアが左右する」ターニングポイントとなった炊飯器です。

「ライスレディ」の職場に潜入

デスクワークの広い事務所の一角に壁で囲まれた一部屋が。これがライスレディの秘密基地
食感や糖度などを測る測定器

 兵庫県三宮にあるパナソニックキッチン空間事業部が入っている工場。その一角にある20畳ほどある研究室が、ライスレディの職場です。

 炊飯器以外にも各部の温度を記録する装置なども見られ、炊飯器を同時に動かしても電圧が低下しない特殊電源を使うなど、炊飯器のコンディションをまったく同じにする機器が数々あります。