1年365日、毎日3食おいしいご飯が炊ける炊飯器。暑い日も寒い日も、玄米から無洗米まで様々な品種・状態のお米をおいしく炊き上げる炊飯器は、米食の国・日本が誇る“スーパー家電”だと言えるでしょう。

 そんな炊飯器、大きく分けるなら次の2つの要素から出来上がっています。火加減を調整し圧力をかけたりするハードウェアと、気温にあわせて水にひたす時間を見極め、時間ごとに適切な火加減と圧力を調整するソフトウェアです。

 一見してわかりやすいのがハードウェア。上位機種は、現状電気で一番高火力を出せるIHヒーターが主流で、他社との差別化を図るために内釜の素材を変えたり、ヒーターの設置場所や個数を工夫したりしています。

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 しかし今の炊飯器でもっとも重要なのはソフトウェア。お米の銘柄や仕上がりの設定で時々刻々と火加減と圧力の調整をするソフトウェアこそ、まさに炊き上がりを大きく左右する存在です。

 といっても、おそらくほとんどの方が「ソフトウェアとはいえ、ある程度のセオリーやデータを元に、時間の調整をする程度のものなんだろう」とお考えのことでしょう。しかし炊飯器のソフトウェアは、何度も何度もトライアンドエラーを繰り返す、予想をはるかに超えたアナログな作業なのです。

1956年~最新式までズラリと並んだ歴代炊飯器

 このソフトウェア開発のキーとなるのが、「ライスレディ」と呼ばれる専門チーム。なんでも、毎日大量の炊いたお米を食べ比べているのだとか。一体、どんな人たちなのでしょうか――。

 その現場を見られるということで、パナソニックの調理家電+冷凍冷蔵部門のレシピとソフトウェア開発を行う「Cooking@Lab」を取材しました。