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しばしば話題になる「かまど炊きのご飯」、実際にやろうとすると大変で…

 “めざすおいしいごはん”に向けて日々研究を続けるライスレディをはじめ、炊飯器メーカー各社が目指しているのが「かまど炊きのご飯」。

炊飯器広告でしばしば目にする「かまど炊き」の文字。実際に工場内の駐車場で実演してもらいました

 実際に工場の駐車場で「リアルかまど炊きのご飯」も作ってもらいましたが、1000℃の火で釜を猛烈に加熱し、でんぷんがとけて糊化した水を吹きこぼしながら炊けていくご飯は、確かにフツーにとてもおいしかったものの、炊飯器でコレをやれば台所が「事故」になってしまいます。

普通のキッチンでやるのは流石に色々なハードルが高い「かまど炊き」
はじめは火がなかなかつかなかったにもかかわらず、勢いがついて以降はゴーゴーと猛烈に燃えさかるかまど
豪快に吹きこぼれながら炊けていくかまど炊きのご飯。キッチンのコンロでは安全装置が働きそうな勢いにおののく

 そこで炊飯器の開発者やライスレディの出番。家電が使える熱源として最も高熱で、かつ微妙な火加減の調整が可能なIHヒーターを熱源にし、圧力をかけることで水の沸騰する温度を高くできます。その状態で一気に圧力を抜くと、沸点が一瞬で100℃に下がるため、普通に沸騰させるより猛烈に泡が出て沸騰するのです。

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炭酸水のキャップを開けると泡が噴き出すように、圧力をかけて沸騰させた熱湯を一気に減圧すると通常の沸騰より激しい泡が出る

 ハードウェアを上手に組み合わせて、釜の圧力を見張りつつ、釜の温度を時間とともに制御して、各地の銘柄にあった最適な炊き方、かまどのようなおいしさ、ユーザー設定の固めやモチモチという設定も加味しておいしいごはんを炊く……。そんな「理想の炊飯」を、ソフトウェアを使いディレクションすることこそ、ライスレディのミッションなのです。

「どれでも同じだろう…」と思っていませんか?

 量販店のコーナーには何十台もの炊飯器がならび、どれも「かまどのおいしさ」を謳っています。これだけあると「どれでも同じだろう……」と半ばあきらめ半分になっていませんか?

炊飯器の歴史と美味しさの進化には、知られざる格闘の日々が

 しかしその開発のウラには、現場の人たちの実に泥臭いドラマと苦労の上に「おいしさ」が成り立っているのです。一度買った炊飯器は10年程度は使うもの。価格だけで選ぶのではなく、しっかり悩んで決めたい製品なのです。