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 一方で、これほどシステマチックなのに、お米研ぎとお水張りについては手動。ばらつきも生まれそうなものですが……

 

「私たちは誰がお米を研いでも均一になるようにマニュアル化されていますから大丈夫ですよ。一日に何回も何回もお米を研ぎますから体が覚えているんです」

 なのだとか。よく見ると、研いだ後に張る水には温度計が差し込まれており、水温を均一にしている様子でした。さらにお水の量は内釜の目盛りに合わせるのではなく、はかりを使って1g単位で調整していました。このあたりは食品工場より厳格になっているようです。

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左側の内釜には温度計を差し込んだ水が用意されている
お水は内釜の目印まで張って、重さを見ながら微調整

「仕事で1日に3合は食べます」!それで太りませんか…?

 これだけたくさんの計測機器はあるものの、基本的にはいざ炊き始めるとあとは炊飯器にお任せです。しかし、一部の炊飯器では炊き方のソフトウェアをテストしているようで、炊飯コンピュータが外付けになっているものがありました。

 なぜ、仰々しい外付けのコンピュータが必要なのか。

 最新の炊飯器「おどり炊き(VSX1)」は全国各地の米どころ63銘柄の特徴を出せるよう炊飯してくれます。これらの炊飯プログラムは、炊いては試食してソフトウェアを修正してを繰り返すそうです。

63銘柄をテストしなければならないので、備蓄米(?)も冷蔵庫にびっしり

「私たちは毎年の各銘柄のイネの状態からお米のできをヒアリングします。そこで大まかに今年は雨量が多かった、日照りが長かったなどの環境や水分量などの情報をいただいて社に戻ります。戻ったらヒアリングした内容を元に、炊飯→試食→評価→ソフトウェアの修正を何度も繰り返し『この味!』と決まったらソフトウェアの完成です。

 一部の炊飯器は、その年々のお米の仕上がりにあわせた炊飯器のソフトウェアをネットワークから更新できる機種もあります。これなら新米シーズンは水加減が難しくて大変という方でも、おいしいご飯が炊けますよ」

 

 話を聞く限り相当量のごはんを食べているようなので、食生活についても聞いてみました。