シャチホコ 「もし1年頑張っても芽が出なくて、ものまね芸人をやめることになったら私もやめるよ」って。その言葉でより一層絶対に成功しなくてはと思いました。何十年もこの業界で生きてきたみはるさんを、僕のせいでやめさせることだけは絶対に阻止したいと思って。
誰かのために自分の何かを犠牲にしたいって思った初めての瞬間でした。そこからは食事と睡眠以外は、ずっとドラマやバラエティ番組のDVD見て、ものまねを研究していました。人生で最も本気になった期間でしたね。それで見つけたのがアッコさんのものまねでした。
アッコさんのものまねで人生がどんどん変わっていった
――アッコさんのモノマネを始めたのはどういう経緯だったのでしょうか。
シャチホコ それまでずっと歌のものまねばかりしていて、平場のものまねがなかったんです。歌だけだと、どうしても出る機会が減ってしまうので、なんとかしゃべりのものまねを見つけようと思っていたんですが、それも先輩芸人が触っているものまねばかりで。
誰もやってないしゃべりのものまねなんて無理なのかなって思っていた矢先、たまたま「アッコにおまかせ!」を見ていたら、「あれ、アッコさんのものまねって意外とやっていないんじゃないかな」って思って。
練習してみはるさんに見せたら「いいんじゃない!」って。ものまね芸人のみかんさんもアッコさんのモノマネをすごく買ってくれて。「面白いじゃん。似てるよ!」って言ってくれたことで自信もついて。
ミラクルひかるさんもイベントで会った時に、「アッコさん!」って振ってくれるくらい気に入ってくれて。その日に「ウチのガヤがすみません!」の出演も決まって。そこからですね。自分の人生がどんどん変わっていったのは。
考えすぎて踏み出せないのも良くない
――モノマネ芸人としてテレビに出るようになり、みはるさんと見事結婚することになったと。周りの反応はいかがでしたか。
シャチホコ みんな喜んでくれました。大学の同期からは「お前は絶対に結婚しないと思っていた」と言われるくらい、僕に結婚のイメージがなかったみたいで。びっくりしていましたね。年の差についてはいろいろアドバイスをもらうこともありましたけど、結局は自分がどう思うかだと思っています。
僕の両親もみはるさんの両親も年齢差について何か言ってくることはなかったです。「ちゃんとみはるさんを大事にしろよ」って応援してくれましたね。
周りからよく「子どもはどうするの?」って聞かれたんですが、僕自身子どもに愛情を注げる自信がなくて、自分の人生でいっぱいいっぱいだなって思っていたんです。だから結婚願望はあったんですけど、子どもをほしいと思ったことはなくて。みはるさんもそこを一番気にしていて、「正直子どもは難しいけど……」って言っていたので、逆に「それ助かるわ~」くらいの気持ちでした。
年の差があるといろいろ考えなければいけない問題はたくさんあると思うんですけど、僕たちは良い意味であんまり真剣に考えなかったです。