文春オンライン

2022/08/28

突然かかってきた電話「今日、バカボンのパパに似た先生が病室に行くから」

――転機が訪れたのは?

後藤 ある日、父から病室に電話がかかってきて、「今日、バカボンのパパに似た先生が病室に行くから!」って言われたんです。

 

――バカボンのパパ?

後藤 そう(笑)。よくよく話を聞くと、その前日に、父がお寿司屋さんのカウンターで、閉店間際に泣いちゃったらしいんですよ。懇意にしていた大将に慰められて帰宅したところ、その話をカウンターの隅で聞いていたおじいちゃんが「俺は血液学の権威だから、いまの人を呼び戻せ」って言いだした、と。

 父は大将から「酔っぱらいが、てっちゃん(父)を呼べって言ってきかん」と電話で呼び出されて、もう一度お寿司屋さんに戻ったんですけど、そのおじいちゃんは「自分は大学病院の教授であり、ついては娘さんを診させてほしい」と申し出てくれたそうなんです。

――ものすごい偶然ですね。

後藤 しかも当時の私の主治医は、そのおじいちゃん、M先生のかつての教え子でした。それでスムーズに事が運び、転院することになりました。主治医の先生からも「すごく偉い先生が来るから」と聞いて二人して緊張していたんですけど、とてもフレンドリーな方で……。

――バカボンのパパに似てました?

後藤 とても(笑)。M先生は「普通の生活に戻す」「高校生にもさせるぞ」って言ってくれました。薬もイチから見直して、当時主流だったステロイドを使っていたんですけど、無菌室にいなきゃいけない程の量になっていたのを減らして、数種類の免疫抑制剤を併用するようになりました。そのおかげで退院でき、10月に復学が叶いました。

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