〈あらすじ〉

 1961年、小さな薬局を営むソ・チャンデ(イ・ソンギュン)は、独裁政権を倒して世の中を変えたいという思いから、民主主義国家を目指す、野党のキム・ウンボム(ソル・ギョング)のブレーンとなる。2年後、勝つためなら手段を選ばないチャンデの天才的な選挙運動により、ウンボムは国会議員に選出。さらに4年後の選挙では大統領陣営から妨害を受けるも、チャンデの暗躍でウンボムは再当選を果たす。

 しかし、71年の大統領選を目前に、チャンデの汚いやり口が原因で、2人の間に深刻な亀裂が入り――。

〈解説〉

 第15代韓国大統領の金大中と、彼の選挙参謀の実話をもとにしたポリティカル・サスペンス。『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』のビョン・ソンヒョン監督作。123分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆60年代韓国の選挙運動のすさまじさ。1973年、日本での金大中事件も鮮やかに思い出される。大統領役ソル・ギョングが渋い。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆民主化以前の韓国で跳梁した参謀の話なのに、背景の混沌に密度が足りない。主役ふたりのブロマンスもやや通り一遍。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆薄暗い中で囁き、拳を振り上げ叫ぶ言葉は天に届けと、手段を選ばぬ駆け引きは狡猾で滑稽なほど。策士は悪しき者か。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆理想と戦略をめぐる政界バトルは定番の面白さ。演出はべたつきがやや強く、もっとハードボイルドなら一段上に行ったか。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆他国の政治物として理解に苦しまず感情的に流されることなく観やすい。俳優のスキルも高い。日本にも望まれる分野。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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『キングメーカー 大統領を作った男』(韓)
8月12日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー
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