中森明菜、小泉今日子、早見優、松本伊代ら、大物アイドルを数多く含む“花の82年組”のひとり、堀ちえみ(55)。 

 2019年にステージ4の舌がんの手術を乗り越えた“がんサバイバー”でもある彼女に、がん発覚までの経緯、11時間におよぶ大手術の前に行っていた“ある準備”、復帰後に待ち受けていたネット上での誹謗中傷などについて話を聞いた。  (全3回の3回目/1回目を読む)

堀ちえみさん

 

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舌の裏にできた白い点が、なかなか消えない

ーー2019年にステージ4の舌がんだと診断され、舌の6割以上を切除する手術を受けられました。その前年にできた口内炎だと思っていた突起が、がんであったと。 

堀ちえみ(以下、堀) 40周年記念ライブに向けてボイストレーニング中に、鏡を見ながら舌を持ち上げるトレーニングをしたら「なんかあるな」っていう違和感があって。プチッとした白い点が舌の裏側にあるのが見えたんです。

 口内炎かなって思ったけど、そもそも口内炎ってあんまりなったことがなくて、よくわからなかったんですよ。 

ーー白い点はいくつ? 

 1個。最初は痛くもなんともなかったんだけど、忘れていた頃にピリッとして。主人はよく口内炎になるから「口内炎って痛いからね。あの薬がいいんじゃない?」とか、いろいろ薬を教えてくれて、それを塗っていて。

 でも、痛んだり、止まったりを繰り返すようになって、2018年の6月あたりには、なにか食べるとちょっと沁みる感じになったんですね。7月になっても「まだある」と。痛みもすっごくなってきたんですけど、治まるとなんでもない。 

ーー点は依然として。 

 ポコッとしたのはある。これが表側にできていたら自分でも見えやすいし「なんとかしないと」と思えたのかもしれないけど、やっぱり舌の裏なので普段は意識しないんですよね。

 それでもさすがにおかしいなと思って、歯医者さんに行ってレーザーで焼いてもらって。それが痛いんですよ。けっこう焼く匂いもするし、血も出るし。で、焼いた後は痛みが治まるんです。先生に「悪性ってことはないですよね」と聞いたら「大丈夫、大丈夫。僕が見てもこれはがんじゃないから」って。 

「がんかどうかは綿棒でそこをこすって検査すれば簡単にわかるから。検査はいつでもできるんだし。それよりも先にホワイトニングしたほうがいいよ」と言われて。そこまでがんじゃないと先生が言うんだったら大丈夫だろうと。 

ーーそう思ってしまいますよね。 

 主人に検査のことを話して、「年が明けて、まだ口にあるようだったら調べてもらおうよ」と決めて。でも年末年始の間、家で歯のホワイトニングをやると沁みるし、痛いし。

 家族で台湾旅行にも行ったんですけど、お粥を食べたら痛いし、小籠包の汁が沁みて、もう味どころじゃないんですよ。主人と子供たちは美味しく食べてるのに、私だけ痛がっているという。