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 で、年明けにスマホで検索したら、自分と同じような状態の舌の画像が出てきて。“この舌はステージ3で、リンパ系に認められる”とか“ステージ4で、その後○年で死亡”とかバババババッと。ポチッとした点はもちろん、その頃は舌の脇もひび割れていて、それが画像とまったく一緒なんですよ。 

ーー痛み以外の症状には、どんなものがありましたか。 

 基本、唾液が膿。検索したきっかけも、寝ているときに痛くて目を覚ましたら口の周りや寝間着の襟あたりに血と膿が付いていて。「これは本気でマズい」とゾッとして、夜中に検索したら「えっ、がん?」と愕然としたという。 

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 がんって侵食の度合いでステージが決まるんですけど、私の場合は舌がんとしてはマックスだったんです。がんとして発生したものが、内側から表に侵食していったことで側面が割れていたんですね。さらにリンパ側にも侵食していて。 

 リンパに関してもおかしいなとは思ってたんですよ。台湾旅行の帰りに飛行機を降りて、成田空港で車を待っていたんですけど、風が当たるたびに首が「痛っ!」となって。で、触ってみたらしこりが出来ていて「風邪かな。でも、場所が扁桃腺とは違うし、片方だけだしな……」とも思ったけど、やっぱりがんだった。 

腹をくくって始めた「終活」

ーーおかしいと思っても、「がんなのでは?」という発想にはなかなか繋がらないものですから。 

 だから、しょうがないとは思いました。ただ、主人は自分を責めてたんじゃないかな。どうして、ほかの病院にも連れて行かなかったんだろうという悔しさ。子供たちも「なんで気づかなかったんだろう」と、自分たちを責めていましたね。 

 でも、私としては過去を振り返っている場合じゃなくて、今後どうしていこうっていう。自分の命があるかどうかわからない。だから、終活をしておこうって。 

 

ーーステージ4の診断が出れば、終活は考えてしまいますね。 

 これまで私がいただいた表彰楯、表彰状、トロフィーって、事務所の松竹芸能に預けてあったんですね。申し訳ないけど、それをすべて家に持って帰って屋根裏の収納にしまって。 

 レコードや写真もそうなんですけど、まとめて置いておけば、もし万が一のことがあっても、「あれ、どこなんだろう?」とか家族が面倒な思いもしなくて済むだろうって。そういうものを集めるのと同時に、いらないものはどんどん捨てていきましたね。 

ーーある種の覚悟と準備をして手術に臨んだと。 

 四男の卒業式に出て、いただいていた仕事もちゃんと終えてから、入院して手術したいなと考えていて。一方の病院側は手術が可能な体かどうかの検査をして、可能ならば即手術の予定で、お医者さんたちのスケジュールを組んでいたんですけど、手術日がたまたま私のお誕生日だったんですよ。 

 それで「すみません。18日に卒業式があって、手術の日も夫婦で温泉旅行に行こうと決めちゃっていて。最後の旅行になるかもしれないので、申し訳ないですけどズラしてもらえませんか?」と言ったら、あちらは「えぇー?」みたいな(笑)。いま思えば、よくもそんなのんきなことを言えたもんだなって。