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なんと、ウォードと名乗っていた相手はアメリカ人の国際弁護士ではなく、ガーナに住む詐欺グループの末端にいる男だった。

Aさん:
冷静になれば気づくかもしれない。払うのおかしいだろう、怪しいだろうって思うんですけど、当時は感情が入って周りが見えなかった。大金を送金してしまった自分の不甲斐なさを一番引きずっています

 

大阪府警が日本国内で15人摘発 主犯格は日本人か

こうして恋愛感情をもてあそび金銭をだまし取る「国際ロマンス詐欺」。大阪府警はAさんの被害など、一連の国際ロマンス詐欺事件で日本国内の15人を摘発した。

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大阪府警によると、犯罪組織の本体があるのはアフリカ大陸にあるガーナ共和国。SNSを使って日本人に詐欺をしかける役割はガーナ人で、金銭をだまし取る際に登場するのが日本人名義の口座。Aさんが振り込んだ先もこの“日本人口座”だった。

 

海外に送金する時の厳しいチェックを避けるため、日本人の仲間を用意したとみられる。

こうしてだまし取った金をまとめて受け取っていたのが、国際指名手配されていて現在、ガーナにいるとみられる森川光(モリカワ・ヒカル)容疑者だ。

 

大阪府警 永峰啓次警部:
犯人側の外国人の被疑者は、「日本人は被害届を出さない、恥ずかしがり屋やから被害届を出さない」と組織の上層部から言われて、犯行に及んだという話もしていました

 

大阪府警は、このグループによる被害は中高年を中心に男女60人以上、あわせて4億円にのぼるとみている。

 

会ったことのない恋人にはまり、退職金まで

3000万円をだまし取られた東京都在住のBさん(54)は、大手証券会社で部長職を務めていたエリートサラリーマンだった。

 

仕事でストレスを抱えていた時、出来心で始めたマッチングアプリで出会ったのは、世界中で金などを採掘する鉱山会社に勤めている、若くて美しいアメリカ人女性のキャサリンだった。

 

Bさん:
3カ月、4カ月もいろんな話をしていると、他愛もない気持ちが愛情みたいなものにだんだん変わっていく。ある日突然、彼女から切り出されたんですよ