それと併行して、遺品整理や特殊清掃がどんな仕事なのかをネットや本で調べたり動画を見たりもしています。海外のモザイクなしの事故の画像を見て“グロ”耐性をつけたり……。当時は「もしかしたら遺体を見ることになるかもしれない」と思っていたんですよね。実際、一部は落ちていても遺体自体はないんですけど。
ネットでは「死臭に耐えられない」と言っている人も多かったんですが、耐性をつけようにも想像するしかないじゃないですか。だからイメトレというか、凄まじい臭いを想像して日々悶々としていましたね。
そういう期間を経ても、やっぱり「遺品整理・特殊清掃の仕事がしたい」という気持ちは変わらなかったので、求人を探すことにしました。
――今の会社を選んだ理由は?
小島 遺品整理・特殊清掃をやってる会社はたくさんあったんですが、求人サイトの募集文に「誰にでもできる簡単なお仕事です」と書いてあったり、遺品整理・特殊清掃を“ただの仕事”と捉えているように見える会社ばかりで、「なんか違うな」と思っていたんです。
でも今勤めている会社の募集文には、ちゃんと「きつい仕事」だと書かれていて、なおかつ遺族や故人様を思いやる内容だったので「ここしかないな」と思って申し込みました。それで面接受けて、合格して、今があります。
「そんな仕事すると呪われるよ?」
――小島さんが遺品整理・特殊清掃の仕事に就くことに対して、ご家族はどんな反応でしたか。
小島 すごく反対されました。母も姉も大反対でしたね。特に母には「なんであんたは大変だってわかってる仕事をわざわざやりに行くんだ」と言われたので、遺品整理・特殊清掃という仕事に対する熱い思いを語ったんです。
私の父が亡くなった日も、別居中の母がたまたま訪問して倒れた父を発見できたけど、あの時行っていなかったら孤独死になっていたかもしれない。何日発見されなかったかわからないわけです。そういった記憶から来る使命感について強く語って、最終的に母は認めたんじゃなくて諦めたんだと思います。
最近は「もう好きにやりなさい、関係ないわ」みたいな感じですね。ただ『ザ・ノンフィクション』に出て父の話をしたりするとクレームが来ます。でも「本出したよ」っていうと喜ぶんですよ(笑)。
――当時の恋人からも反対されたという話は本当でしょうか。
小島 「そんな仕事すると呪われるよ?」って言われたんですよ。それにカチンときて「じゃあ君は自分が死んだとして、清掃しに来てくれる人を呪うのか?」ってキレたら納得してました(笑)。その後はあんまり触れてこなかったですね。