「『えっ、生き物で商売するんですか?』と思う人もいるでしょうけど…」
――あまり前例のない取り組みなのでハードルは高いでしょうし、いろいろと賛否両論が出そうですね。
坂上 まあ何事も新しいことを始めようとすると必ず批判はあるので、そこはビビらずに、自分たちはこうやりたいという気持ちで進んでいきたいですね。結果が出なければ笑われるし、出たら出たでお褒めの言葉もある一方、妬みとかもあると思うんです。そこも踏まえ結果を追い求めなくちゃいけないのかなって。
お金という要素が入ってくる以上「えっ、生き物で商売するんですか? それでなくても一度は嫌な思いをしたワンちゃん、猫ちゃんたちですよ」という人もいるでしょうし、そこには屈しないようにしたい。
守り方ってひとつじゃなくて、いろいろあるし、僕のやろうとしている守り方ってこれなんですって自信を持ってやって行きたいなって。まあ打たれ強くはあるので、たぶん大丈夫だと思いますけど(笑)。
――そこは動物の命を預かっている以上、失敗はできないという思いも強いでしょうね。
坂上 もちろんです。ただ細心の注意を払い失敗しないようにがんばるけど、もし失敗をしてしまったらそれを隠そうとせずオープンにして、自分たちの知恵として次に繋げていきたいですね。
50歳を過ぎての“大バクチ”に「稼ぎ10年分」を突っ込む理由
――坂上さんとしてもバクチじゃないですけど50代半ばにして大勝負という感じじゃないですか。
坂上 いや本当、強敵ですよ(笑)。けど何度も言うように結果を出さなければ常識を覆すことも、理想を追うこともできないので、とにかく本気で『さかがみ家』に取り組んでいきたいんです。
――ただ現実問題、事業的にはまだ雲をつかむような状況なんですか。
坂上 いや、年内中には第1弾の仕掛けがあって、来年中には本格的な動きができそうな感じですね。
――おっ、それは楽しみですね。
坂上 まあ僕も楽しみなんですけど、本当……この10年間バラエティで頑張って働いてきましたけど、下手したらそこで稼いできたモノを3~4年ですべて失うかもしれない(笑)。
でもまあ、生きている間に最大の結果を出したいですし、動物たちのためにも楽しみながらがんばっていきたいと思います。
写真=石川啓次/文藝春秋
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撮影協力=角館山荘 侘桜