「僕が生きている間に変えられることも少ないんじゃないかって」
――そもそもこの動物保護ハウスを設立しようと思ったのは何故なんですか。
坂上 もちろん犬や猫といった動物の保護を自分たちですることが目的なのですが、現行のシステムを知れば知るほど、どうしても法律の壁などがあり限界を感じてしまったんです。陳情することも考えましたが、そうすると時間が掛かるし、僕が生きている間に変えられることも少ないんじゃないかって。
だったら自力で保護をするシステムを作り、民間から変えることはできないかって。
僕は自分で言うのも恐縮ですが、テレビなどを通し動物好きであることを知られ、多少なりとも影響力を持たせていただくようになりました。
ただ、その影響力は半永久的ではないし、だったら限られた時間のなかで、やれることを全部やろうって。下手な鉄砲数打ちゃ当たるじゃないですけど、何か当たってくれたらなって、がむしゃらな思いだけなんですよ。
「きれいな気持ちと欲、両方を持っていないと成立しない」
――そのために『坂上どうぶつ王国』があったわけですね。
坂上 あの番組がなければ、このタイミングでは実現していなかったでしょうね。したたかに使えるものは使って、感謝するところは感謝する。とにかく結果を出さないと恩返しもできないし、自分たちも潤わない。使命感というと怖くなってしまうけど、きれいな気持ちを持ちつつも、きちんと欲も持っていきたいですね。じゃないと成立しないんで。
――まだ事業収益はゼロと聞いています。大きな稼ぎを出す必要はないと思いますが、持続可能程度の売り上げを出さなければ、社会的にも認められない。
坂上 そうなんです。だから結果を出して、ある程度規模を広げた上で、最後は移譲するところまではやらなければいけないなって。
――繋ぐところまでがゴールだと。あと日本にはまだ存在していない“動物保護士”という資格もゆくゆくは作りたいと聞いています。
坂上 資格化というのは、ひとつの理想ですよね。ただそこに行き着くためには、ちゃんとこちらが対価を払って動物保護士を職業として成立させなければいけない。そこで初めて認知される資格だと思っているので、しっかり収益を上げられるシステムを作らないと。