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2022/08/22

 人生を長いスパンでとらえ、そのときどきで自分のできることをこなしていこうという姿勢は、その後の発言からもうかがえる。家事に育児に時間に追われ、《週に1回くらいはガクッとくるんですけれど、少し落ち着くと、10年後、20年後には、この時間を懐かしく思うのかなぁなんて、ふと考えたりして》と話していたこともある(『LEE』2019年8月号)。

 40歳になったときには「2回目の成人式がきちゃった」と思い、新たに茶道を始めた。《60歳くらいで形になればいいかなと思っています。30代の自分が40代をつくるし、40代の自分が50代をつくるし。人生って、そうやってレゴのようにつながっていくんですね、きっと》とはつい最近(『MORE』2022年7月号)の発言だが、彼女の人生観がよく表れている。

「私自身は母に恋の相談なんてしたことがない」

 菅野の生き方は同業者にも関心の的であるらしい。昨年公開の映画『明日の食卓』で同名・同年齢の息子を持つ3人の母親をそれぞれ演じた尾野真千子と高畑充希との鼎談では、4歳下の尾野から《私、菅野さんが実生活で母親になられたことで、演技がどう変化するのかな?と興味がありました。自分も参考にしたいから》と言われていた(『AERA』2021年6月7日号)。

『明日の食卓』(2021年)

 同じ鼎談で菅野は、《女性の先輩が育児の大変さをあまり発言しないのは、続く世代を怖がらせたくないという優しさなのかもしれないけど、でも、私はもっと事前に聞きたかった。「聞いてないよ!」ってことばっかりだもん。だからどんどんホントのことを言っていきますよ!》と、世の子育て世代に向けて頼もしい発言もしている。

 母親役もすっかり板についてきた。昨年には『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』で5年ぶりに連続ドラマの主演を浜辺美波と務めた。彼女が演じたのはシングルマザーの売れっ子恋愛小説家で、浜辺演じる20歳の娘に彼氏ができる気配がないことを気にしているという役どころだった。現実の彼女が20代のころ結婚する気配がないと焦っていたことを思えば、なかなか感慨深い。

『ウチの娘は~』出演にあたっては、《私自身は母に恋の相談なんてしたことがないので、碧さんと空ちゃん(引用者注:菅野と浜辺の役名)の関係性はすごく羨ましいです。私の娘はまだ2歳ですけど、空ちゃんくらいの年齢になったら恋の話を聞いてみたいですし、好きな人にも会ってみたい》と語っていた(『an・an』2021年1月20日号)。ここでも菅野は将来を見据えている。年代ごとに新たな道を拓いていく彼女は、今後も女性を中心に人々の指標とされるに違いない。

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