「孫がパパ活をやっているかもしれないから調べてほしい」――探偵への依頼のなかで、近年、増加しているのが「子どもの調査」だという。
なぜ安くない依頼料を払ってまで、保護者は子どもや孫のことを調査するのか? その理由をキャリア13年になる探偵・小沢氏に聞いた。(全3回の2回目/#1、#3を読む)
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「余命2カ月」を理由に婚約破棄してきた調査対象
――「余命2カ月」を理由に婚約破棄してきた調査対象がBBQをしている映像を見て、依頼者は「最後の晩餐なんですね…」と涙ぐんでいた。そんな小沢さんのツイートが大きな注目を集めました(10.7万いいね)。
探偵 小沢さん(以下、小沢) 浮気現場の映像を見せたときの反応は、依頼者によって本当にさまざまです。死んだような目で見続ける人、号泣する人、ガッツポーズで「よく撮れてる!」という人までいます。
なかには、いたたまれなくて、場を取り繕うごまかしというか、なぜか冗談を言ってしまう人もいました。
ツイートの「最後の晩餐なんですね」の依頼者も、その場を取り繕うボケのつもりで言ったのだと思います。いや、むしろ場の雰囲気を明るく和ませようと僕に気を遣ってくれたのかな……。だから僕もそれに対して、ツッコむ形で「違うと思いますよ」と返したら、「フフッ」と笑ってくれて。
――140字に詰め込まれたやり取りが秀逸で、ついつい笑いを誘います。
小沢 僕のTwitterでは、探偵の仕事をある種のエンタメとして上手に切り取って書いています。もちろん依頼者個人が特定されるようなことは書かないですけど。
探偵業が盛況なのは「パパ活」のおかげ?
――ネットやSNSの普及で、ウソがつきやすい時代でもあります。時代を感じる依頼はありますか?
小沢 高齢の依頼者から「孫がパパ活をやっているかもしれないから調べてほしい」と相談されたことがあります。最近、パパ活系の相談はめちゃくちゃ増えていますね。
子どもの動向を知りたいという親の依頼も増えています。地方から都会に移った一人娘の様子を知りたいとか。素行を心配しているというよりも、単純に暮らしぶりを知りたいという気持ちからですね。外食ばかりしていないか心配だとか、ちゃんと大学に通っているのかとか。
――親たちは、なぜ子ども本人に聞かないのでしょう?
小沢 子どもは親の前じゃ、本音を見せないじゃないですか。一人でいるときや、友だちといるときに最も人間性が出るので、そういったときの様子を知りたいというニーズは高まっている気がします。
過去にはSNSで子どもが自殺を匂わす投稿ばかりしていて、連絡しても一切応答がないから「自分の代わりに見てきてほしい」という依頼もありました。