結婚相手を紹介された後に「祝福を受けたいなら140万円払え」
統一教会の家庭教育局が編纂した『父母マッチングガイドブック 祝福子女の祝福から家庭出発をサポートする』によれば、親が2世信者の祝福相手をマッチングさせる「父母マッチング」が始まったのが2001年。ガイドブックには、ウェブサイトで相手を探し、互いの両親が合意した後にお見合いが行われ、3~6カ月の交流を経て婚約にあたる「約婚式」を行うという、マッチングのプロセスが詳細に書かれている。
ガイドブックの内容は、障害のある子女の祝福から、マッチングサイトで相手を見つけるためのポイントや家庭出発後のスキンシップや初夜の準備、夫婦での家事分担、学生結婚の場合の避妊の方法まで多岐にわたっている。中には、障害のある子女の祝福の手順についての言及もあり、興味深い。
では、こうした父母マッチングで相手が見つからなかった場合はどうなるのか。
「『私たちは家庭連合です。素敵な結婚をしましょう』と書かれたビラを配って一般男性を勧誘し、2世信者とマッチングさせたあとに信者としての教育をする、いわゆる“既成婚”も常態化しています。私のもとにも、結婚相手を紹介された後に、“祝福を受けたいなら140万円払え”と要求されたという男性が相談に来たことがあります。そこで止めてしまう人もいれば、紹介された相手をあきらめきれずにお金を支払ってしまう人もいるようです」(同前)
10代の学生の頃に親が相談してマッチング
合同結婚式の参加者もこう証言する。
「確かに、中には結構、高齢にみえるカップルもいましたね。すでに結婚しているカップルが祝福を受けるために参加するケースもありますが、晩婚化の影響も少なくないでしょう。式に両親が同行している人も見受けられたので、2世信者の参加者が多いのだろうなと感じました」
一方で、わが子が将来そのような事態に陥ることを恐れ、早い段階で祝福を受けさせてしまうケースも少なくないのだという。
「将来結婚相手に困ったり、逆に祝福を拒否したりすることがないよう、10代の学生の頃に親が相談して、マッチングさせてしまうのです」(前出・渡辺弁護士)
『父母マッチングガイドブック』によれば、祝福を受けることができるのは、「満20歳から」とあるが、マッチングに参加できる最低年齢は「満18歳から」と定められている。