「生意気なようだけど、僕はヤワな教育はしていない。どこに行ったって、彼ら三人は通用するよ」。文春最新号の「ジャニーズ“血脈支配”の曲がり角」で紹介される、事務所を去った元SMAP3人へのジャニー喜多川の言葉である。
戦後芸能史を生きたジャニー喜多川86歳
今週は貴乃花親方の直撃取材や、香取慎吾と欽ちゃんの対談、たけしに久米宏に鶴光にと華やぐ新年特大号にあって、くだんのジャニー喜多川(以下、ジャニーさん)の記事は、戦後芸能史を生きた男の、あるいは姉弟の半生記の後半を読むようで面白い。
ジャニーさんは現場に出る回数は減ったけれども、86歳の今なおジャニーズ事務所の社長に君臨し、生涯現役を貫く気構えでいる。とはいえ、高齢ということもあり、莫大な財産の使い途を模索していると、知人は語る。
「辞めたタレントも含めて、在籍した全員に財産を分配したい」。独身で子供もいないこともあってか、ジャニーさんは当初、こうまで言っていたという。
ジャニーさんをかき立てるもの
かつて「もしジュリーと飯島が問題になっているなら、私はジュリーを残します。自分の子だから。飯島は辞めさせます。それしかない」と文春記者を前にして、“実子相続”を宣言した姉のメリー喜多川(以下、メリーさん)とは好対照である。
記者は、そんな風にジャニーさんをかき立てるものをこう書く。「根底にあるのは芸能人の地位向上だ」と。それは今になってのことではない。米国にエンターテイメントの理想を見、それを日本でつくりあげることに血道をあげた男の人生そのものだろう。 さすがに財産を在籍した全員に分配するのは現実的でないため、今は奨学金の設立など、エンターテイメント教育への支援を考えているそうだ。