火消しに追われた「世論調査」発言
8月31日には、与・野党議員が社会的合意を得るためにBTSの兵役特例に関する世論調査の実施を提示。これに李国防相は、「BTS兵役特例に関連して国民の世論調査を実施する」、「そうでなくとも世論調査を早く行うよう指示をした」と回答し、世論調査の結果いかんによってはBTSの兵役特例を決定するのではないかという憶測が流れ、波紋を呼んだ。
しかし、これも慌てた国防省がすぐに火消しに走り、「世論調査を早く行えという指示ではなく、必要かどうか検討しろと指示したもので、世論調査を実施する際の調査機関や対象など関連する詳細事項を検討しろという趣旨だった」と発言の意図をあらためて修正した。
李国防相も翌9月1日には前日の自身の発言について「世論調査の結果により決定するものではない。国民の意見を聞こうと思った」と釈明。世論の猛反発に今度は国防省が、「国防省はBTS関連の世論調査はしない」と念押しした。前出の記者が言う。
「内部での調整がまだできていなかったのでしょう。国防省では、人口の減少で兵員の確保が難しくなっている現状と、BTSに特例を許せば雨後の竹の子のように続々と特例事例が出てくることを怖れています。そもそも実際に世論調査を行うにしてもどの機関が行い、誰を対象とするかなど細部をつめなければならない“地雷”が多すぎる。さらに国防省による世論調査などまったく信用しないという人が圧倒的だった。
それに直近の世論調査では、いずれもBTSの兵役特例に反対する声のほうが多く、国会で俎上に載せれば載せるほど反対の声が強くなっているような気がします。世論調査発言には国民のコンセンサスを得ようという目的があるようですが、やぶ蛇だったでしょう」
国会では、大衆文化や体育分野での優秀者には33歳までの入隊延期を可能にし、国民のコンセンサスを得られるよう政府が努力する、という話もでているが、これも結論を先延ばしするだけだろう。