世界的な物価高騰が止まらない。アメリカの球場では、ホットドッグとビールを買うだけで3000円の出費になることも。

 ロックバンド・SCOOBIE DOのドラマーながら試合実況・解説を担当するほどのメジャーリーグ通として知られるオカモト“MOBY”タクヤさんも、アメリカの激しい物価高騰を体験した1人。

 今年8月、取材のため渡米したばかりのMOBYさんに「現地の様子」や「日本との価格差」についてレポートしてもらった。(全2回の1回目/後編を読む)

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ビール1杯2000円……。今、アメリカの物価はどうなっているのか? ©iStock.com

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わずか3年で飛行機代は2倍超に

 2022年8月5日~14日にかけて、MLB取材のためアメリカに渡ることに。まず3年ぶりの渡米で驚いたのは「飛行機の価格」でした。

 2019年8月に渡米した際の成田~シカゴの往復チケットが16万5000円ほどだったのに対し、狙いを定めた8月上旬のチケットは直行便とはいえ40万円前後。便が少なくなり、機内も満席にできない状況にあるとはいえ、いくらなんでも高すぎる……。

 今回はこれまで貯めに貯めたマイルでチケットをまかなうことに。しかし以前なら5万マイルで日米を往復できたのに、現在は片道のエコノミーですら8万マイル必要な便も出てくるなど、マイルも高騰している様子。結局、なんとか通常の必要マイルに手数料+燃油代=往復で9万5000円ほどの追加料金を支払うことになりました。

ビールとホットドッグが●●●●円!?

「とにかく物価が高いから、マジで気をつけて」――アメリカ在住の友人からそんなアドバイスを受け、覚悟して訪れたのですが、どこも想像の遥か上をいく価格設定で正直ひっくり返りそうになりました。

 取材初日に訪れたのは、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるドジャー・スタジアム。ドジャースのチームカラーとシンクロする日暮れ前の青い空がどこまでも続きます。

ドジャー・スタジアムで行われたパドレスVSドジャース戦(写真:筆者提供)

 そんな気持ちのいい空のもと、ホットドッグとビールでも食べながら、3年ぶりの野球観戦と洒落込むぜ!とまずは売店を訪れたところ、いきなり物価高騰に驚かされます。

 日本のロング缶より少し大きめの24オンス(710ml)のメキシコ系ビールがどれも15ドル近く。当時のレートが1ドル=138円だったので、なんと1杯2070円! さらに名物「ドジャードッグ」は7ドル(970円)なので、しめて約3000円。日本なら半額で食べられるのに。初日からかなり重いカウンターパンチをくらったかのような心持ちになりました。