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キャッチ・コピーは「貯蓄は身の為国の為」

貯蓄報国強調週間―貯蓄は身の為国の為― 片岡嘉量 大蔵省、国民精神総動員中央聯盟 1938年

 大蔵省貯蓄奨励局と国民精神総動員中央聯盟は、日中戦争が開戦となって約1年となる1938年6月21~27日の1週間を“貯蓄強調週間”と定め、戦費調達のための貯蓄奨励運動を展開した。

 「貯蓄は身の為国の為」のキャッチ・コピーを頂いた《貯蓄報国強調週間―貯蓄は身の為国の為―》はその時のものであり、ポスターとして20万枚印刷されたほか、リーフレットが60万枚、映画館用スライドが3300枚製作され、全国に配布された。

 また、ラジオでは連日この運動に関する講演が放送され、宣伝のために1500人の紙芝居屋も動員されたとのことであるから、当局の広報宣伝に対する力の入れ方、ひいてはこの貯蓄奨励運動に対する意気込みには、すさまじいものがあった。

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 ただしその結果は、各金融機関に対して土日も平日通りに営業させ、郵便局には出張販売までさせたにも拘わらず、目標額の80億円に対して73億円しか集まらず、かけ声倒れに終わってしまった。

一億一心百億貯蓄 大蔵省 1939年
貯蓄百二十億 興亜の力 大蔵省 1940年

政府は戦費調達のための貯蓄奨励運動を最初は80億円を目標額として実施したが、その後、100億円、120億円と目標額を増やしていき、1945年2月には600憶円にまで増額された。おおむねそれらは達成された。しかし、それでも戦費は全く足りていなかった。