いまだに被告を病気と信じる「洗脳から覚めない女性」
検察側からの「被告人が血液の病気であるというのは、今でも信じているのか?」という質問に対しては、「信じています。月に1~2回、注射を打たなければならない」と答えていた。まるで洗脳から覚めない女性がもう1人いるかのようだ。
河野は内妻について、「人生をかけて自分のことを更生させようとしてくれて、すごく感謝している。どんな仕事でもいいので探して、誰にも迷惑をかけないよう一所懸命働いて、被害弁償していきたい。今回のことを一生忘れないように頑張る」などと話した。しかし、裁判所から前回の事件の被害者にもまったく被害弁償できていないことを指摘されると、「前回の被害者は被害弁償を受け取らない代わりに厳罰に処してほしいということだったので、被害弁償については放棄したと受け止めている。だから、私が更生することにお金をかければいいと解釈した」と説明した。
「私は生き地獄の中にいる」「与えられる限りの最高の厳罰を」
A子さんは被害者参加制度を利用して、次のように意見陳述した。
「すべてがウソだったと分かったとき、私が一番に責めたのは河野ではなく、自分自身でした。私は間接的に家族をも騙してしまった。私は生きていることが恥ずかしくなり、死んでしまいたいと思いました。事件のことを友人や職場の人間にも知られ、いっそ殺してほしいと思うほどの辱めも受けました。私は河野に精神的に殺されたのです。
心に刻まれた恐怖心は、そう簡単に癒えるものではありません。私は生き地獄の中にいるのです。河野のせいで結婚前に借金を背負わされて、女性としての幸せも遠のき、さらには開業の夢も潰されて、未来も希望もありません。2度と河野に騙される人が出てきてはいけないし、私のような辛い思いをする人を増やしてはいけないと思います。
詐欺で得たお金と、刑罰を天秤にかけたときに、『詐欺をした方が得だ』という損得の論理がまかり通ってしまうようなことは、決してあってはならないことです。詐欺師に寛容な社会を、私は受け入れることができません。河野に与えられる限りの最高の厳罰を与えてください」
名古屋地裁の戸﨑涼子裁判長は「被害者の好意を裏切る卑劣で悪質な犯行であることは明らかだ」と断罪したが、詐欺罪の刑罰は10年以下の懲役である。そもそも量刑自体が軽すぎやしないか。
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