トキメキ感、ドキドキ感を持続するには?
年配になるほど、恋愛的なドキドキ感に抑制をかけてはいけません。なぜなら、恋愛で得られるトキメキ感やドキドキ感は、男性ホルモンの分泌を活発にする上、前頭葉にも強い刺激を与えるので、若さの源ともいえるからです。反対に、恋愛感情に過度に抑制をかけると老け込んでしまいます。人目を気にしたり、道徳で自分を縛ったりしないことが、老け込まない1つの方法だと思います。
では、どうしたらドキドキ感を生むことができるのでしょうか。
たとえば、アイドルの追っかけや漫画やアニメ、ドラマなどで、好きなキャラクターに入れ込むのもいいでしょう。そのほか、習い事やスポーツクラブに、好きなインストラクターを作るのもおすすめです。また、キャバクラやホストクラブなどに行って、実際に疑似恋愛を楽しんでみるのもいいと思います。「疑似」であっても、脳には十分な刺激になるはずです。
“本物”がわかる高齢者の感性
年齢を重ねるほど、感受性は鈍くなると思われがちです。たしかに、高齢者はこれまでの人生でたくさんの刺激に遭遇しているので、簡単に心が動かされることはありません。若い頃に比べると、前頭葉が老化しているので、強い刺激でないと脳が反応しないのです。
でも、これは裏を返すと、「本当に良いものは、年齢を重ねたからこそわかる」という証明だと思っています。たとえば、若い頃は安い牛丼を食べても満足できたけれども、人生経験を重ねて本当においしいものを食べ慣れると「おいしい」と感じなくなります。若いうちは夜の東京タワーを見て感動できるかもしれませんが、年齢を重ねるとそれ以上に美しいものを見ないと心が動かなくなります。
若い頃は芸歴1年目の若手芸人の芸で笑えても、年齢を重ねると本物の芸でなければ笑えなくなります。吉本新喜劇のベテラン芸人の芸であれば、若者も笑うし、高齢者も笑います。
「若者の感性がわかっていない」は本末転倒
つまり、年齢を重ねるごとに、本物を楽しむようになっているのです。余談ですが、昨今のお笑いコンテストの審査員は若い人も多いですが、個人的には全員80歳以上にしたほうが、より芸のクオリティが高い芸人が勝ち残れるのではないかと感じます。
高齢者が感動できる景色や料理、芸は本物です。シニア世代が喜ばないものを「若者の感性がわかっていないから」と言ってしまうのは、非常に本末転倒なこと。最近、テレビなどで目にするコンテンツを「楽しめない」と思っても、ご自身の感性が衰えたのではないかと悲観する必要はありません。
むしろ、それは「本当に良いもの」にしか感性が反応しなくなっている証拠です。だからこそ、せっかくの感性を雑多なコンテンツに費やすのはもったいない。ぜひ、様々な“本物”のグルメや芸に触れて、その感性を十分に楽しませてほしいと思います。