興味のある仕事であれば、働き続けよう
かつての60代といえば、仕事をリタイアする年代でしたが、今は70歳での引退も当たり前といわれ、今後ますます「生涯現役」が主流になるはずです。
「FIRE」などと早期リタイアに憧れる声もありますが、「60代になったら仕事をやめる」などと決めつけないほうがいいと思います。仕事は頭や体を使う上で、非常に良いのです。
「失敗学」に関する著書を多数出している東京大学名誉教授の畑村洋太郎さんは、定年退職後の人が就任する「相談役」というポストを奨励しています。これは名誉職である相談役でなく、本当に現役の社員に過去の経験や人間関係を使って利害関係なしに相談に乗ってあげるというポストです。
私自身、定年退職をしたあとであっても活躍できる場を設けることは、喫緊の課題になると考えています。もし働いている会社から「60歳以降も働いてほしい」といわれたり、友人や知人から「うちの会社で働かないか」との声がかかったとき、自分がある程度やりたい仕事ややりがいを持てる仕事だったならば、ぜひ引き受けましょう。
自分の興味のある仕事であれば、リタイアせずに働き続けることが、若さを保つ1つの秘訣です。
60代は起業の最後の年代
リタイア後は起業に興味を持つ方も多いですが、どうしても高齢になればなるほど、意欲とクリエイティビティについては若いときよりも落ちてしまいます。
個人的には、60代は起業をするには最後の年代だと思います。70代以降になるとよほど前頭葉が活発に動いている人でない限りは、柔軟性や創造力が格段に落ちてしまうからです。
一方、現在の60代オーバーの人たちにとって、起業のチャンスはいたるところに転がっているとも感じます。今の世の中は若者中心のサービスにばかり特化していて、高齢者のことを考えたサービスが非常に少ないからです。ご自身が「これが欲しい」「これがあったらいいな」と思うものをかたちにするだけで、十分ビジネスとして成り立つのではないかと思います。