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「優勝しましたよ。あの時以来の連覇です」…オリックスファンから天国の仰木彬さんへの手紙

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/10/04
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 拝啓 仰木彬様

 仰木監督、お元気ですか?

 天国での泡盛のお味はいかがですか?

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 きっと、いつもの優しい笑顔で空の上から私たちを見守ってくれていることだと思います。

弱くても、勝てなくても、どうしようもなくても見捨てなかったファンが報われた

 去年はお手紙を読んで頂き、心より感謝しています。あれから一年、また筆を執りたくなり、監督へお手紙を書かせて頂くことにしました。

 仰木さん、報告したいことがあります。

 オリックス……優勝しましたよ。連覇です。

 仰木さんが率いた95年、96年以来のパリーグ連覇です。

 教え子の中嶋聡監督が泣いていましたよ。男泣きでした。震えていました。劇的でした。

 8年前の10月2日を仰木さんもファンも思い出していたんじゃないかなあ、と思います。

 あの時は一歩及びませんでした。

 8年後の10.2は勝利の女神がオリックスに微笑んでくれました。誰が予想したでしょうか、このストーリーを……このドラマティックな展開を涙。

 仰木さんが勝たせてくれたんだと思います。

 僕……実は春と夏に2回、宮古島に行ってオリックスがキャンプを行っていた場所に行って、空を見上げて、手を合わせてきました。仰木さんに会えるかなと思って、パワーを下さいとメッセージを送りに行ったんですよ。泡盛を持って、空に向かって天国の仰木さんを見上げました。豊見親(とぅゆみゃ)、美味しかったです。また宮古に報告に行きますね。

仰木彬 ©文藝春秋

 そして、仰木さん、ファンの皆さんも一体となっていました。

 9月は3万人近いファンの皆さんが京セラドームに詰めかけました。

 あの時の光景を思い出しました。

 グリーンスタジアム神戸の空気感が戻ってきていました。

 バファローズのタオル応援を楽しみに色んなタオルを手提げかばんに入れてくるファンの皆さん、近鉄の帽子が年季が入りすぎて茶色くなってるオジさま方、阪急の帽子を被って手をつないで隣のイオンから球場に向かう老夫婦の姿、ブルーウエーブの51番や6番のユニフォームを着てほっともっとフィールドに向かうファンも未だにいるんですよ。

 うちのおとんとおかんはオリックスのお陰で若返りました。何よりものアンチエイジングですね笑。

 弱くても、勝てなくても、どうしようもなくても……見捨てなかったファンの皆さんが報われる日々でした。応援していて良かった……ほんまに良かった、というファンの皆さんの声が毎日のように僕のSNSに届きました。まさにみんなで笑えました。

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