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「1人暮らしなのに、赤ちゃんの声がよく聞こえて…」怪談師・深津さくらが語る、ある美容師の身に起きた“不気味すぎる現象”

怪談師・深津さくらさんインタビュー #2

2022/10/10
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「大島てる」の事故物件情報を調べたら……

――確かによくわからないけど、ゾッとします。ほかにはありますか?

深津 別の美容師さんから聞いたお話なのですが。心斎橋の美容室で担当してくれた美容師さんに、先程と同じように「不思議な体験をしたことはありますか?」と聞いたところ、「まさにこの美容室で体験したことがあります」とお話ししてくれました。

 その美容師さんがまだアシスタントをしていた頃、営業時間が終わった後も、毎日のように美容室にひとりで残って練習をしていたそうです。

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 ある時、接客したお客さんから、「大島てる」という全国の事故物件を紹介するサイトを教えてもらった。過去に事件や事故があった場所を「炎マーク」で示すサイトで、地図上の炎マークをクリックすると、物件の情報や、その場所で起きた出来事などを見ることができる。

 

 美容師さんはお客さんから「大島てる」について教えてもらった日も、深夜まで美容室に残ってひとりで練習をしていた。そして一段落したときにふと、「そういえば、昼間に教えてもらったあのサイトを見てみよう」と、大島てるのサイトを開いてみたそうです。

 まずは自宅を調べてみたところ、どうやら事故物件ではないらしい、と。でもホッとしたのも束の間、今度は自分が今いる美容室を調べてみたら、炎マークがあるのを発見しました。「これはなんだ……?」と恐る恐るタップしてみたら、狭くて薄暗い部屋の中に白い輪っかのようなものが浮かんでいる写真が、スマホの画面いっぱいに表示されて……。

先輩美容師が教えてくれた美容室の“知られざる過去”

――白い輪っか、ですか。

深津 しかもその写真以外には、何の説明も書かれていない。なんだか怖くなって画面を閉じようとしたら、その状態のままフリーズして動かなくなってしまった。この時、なぜか電源ボタンを押してもシャットダウンできなかったそうです。

 スマホのバッテリーを外したら、やっと画面が消えて。その後、もう一度大島てるのサイトを開いてみても、なぜか同じ写真は出てこなかったと言っていました。ただ、その美容室の入ったビルに炎マークがついていて、そこをタップすると「心理的瑕疵あり」と書かれていた、と。

 

 そして翌日。出勤してきた先輩にその体験を話したところ、美容室の入ったビルは終末医療専門の病院跡地に建っていること、そして、その病院のトイレで自殺をした方がいたことを教えてくれた。その話を聞いて、「昨日見た“狭い空間に浮かんだ白い輪っか”の写真……あれはもしかして、トイレの写真だったんじゃないか」とゾッとしたそうです。今となっては確認する方法はないけれども。

――鳥肌が……。

深津 私も、その話を聞いた時は絶句しちゃいましたね。