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ゴミだと思った二酸化炭素が、実は可能性の塊! “趣味で地球を救う”現役東大生が考えた地球温暖化の解決策がすごい

source : 提携メディア

genre : ニュース

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村木氏は、「火星に移住する」という夢を実現するために研究をしているので、話を聞いているととにかくこちらまでワクワクする。

 

ーーCO2を減らすには我慢が必要とついつい考えがちだが、村木氏の場合は“楽しんで”二酸化炭素を減らそうとしています。

我慢って長続きしないじゃないですか。おまけに二酸化炭素を減らすだけでは温暖化は止まらない。7年半で半分にしないといけない。半分にするには、乗り物全てを止めて2割減って、すべてのオフィス、工場すべて止めて3割減る。家と発電だけ動かす生活だけで5割減。

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どう考えても無理なんです。今まで出してしまった空気中の二酸化炭素を吸ってマイナスにしないといけない。

だけど二酸化炭素を身の回りの固体に変えれば、空気中に出ることはないので確実に減らすことが出来る。生活を我慢するのではなく、豊かにしながら使い続けることが出来る。二酸化炭素で物がまわっていく世の中を作りたいんです。
 

ーー若い世代に困難な状況を押し付けていますが…

押し付けちゃってごめんね、とよく言われるのですが、ぼく個人としては、解決しなければならないことが山積みの今の方が化学者としてとてもワクワクするんです。

むしろ、今まで文明を築いてくれてありがとう。あとは楽しんで解決しちゃうから。という感覚。

若い世代は、誰のせいとか言っている余裕はない。もうすぐ災害が来ます、あなたは命を落とすかもしれません、だから対策してください、と台風が来る前に言われると身構えるじゃないですか?確実に自分の命が危なくなる。だから行動しなきゃ。

それがだいたいZ世代的な感覚じゃないかな。やらされているという以前に、生まれた時から危機感を肌で感じているので。

 

一見、楽しみながらの研究のように見えるが、村木氏の研究は12年の研究のうち10年くらい理解されなかったという。

学会でも総たたきにあい、「そんな研究意味ない」とまで言われたそうだ。しかし、村木氏の心はそんなことでは折れなかった。なぜなら村木氏の研究は趣味だからだ。好きでやっていることなので何と言われようと続けることが出来たのだ。

「趣味で地球を救ってます」とさらりと言ってのける村木氏がたまらなくかっこよかった。

そんな村木氏の研究に向かう姿勢こそ、私たち人類が温暖化解決に向かっていくヒントが隠されているように思う。

「地球を住みやすい環境に戻すことが趣味だから」

そんな気持ちで一人一人が行動を起こしたら、「1.5℃の約束」も難しいことではないと感じた。

(取材・執筆:フジテレビアナウンサー西山喜久恵)

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