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中国侵攻「自衛隊が一緒に戦ってくれれば…」台湾の安全保障の第一人者が語った“日本への期待”

中国侵攻「自衛隊が一緒に戦ってくれれば…」台湾の安全保障の第一人者が語った“日本への期待”

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 ウクライナとの違いは、彼らは欧米諸国からの弾薬補給を、陸路で受けられましたが、台湾は海で囲まれている。中国が台湾侵攻に踏み切った場合、米軍が台湾に供与する弾薬を沖縄に備蓄しておくこと、さらには米軍が弾薬を台湾に輸送する際に日本がサポートすることを、日本政府に認めてほしい。沖縄で台湾の軍機や戦艦の整備や補修をする必要も出てきます。

 また、台湾侵攻の兆候が出始めたら、日本も米国と同じように、台湾や中国南東部に在留する邦人の退避活動を実施してもらうことも重要です。そうすることで、多少は中国の武力侵攻の時期を遅らせることができるかもしれない。さらには中国が西太平洋に出るためには(沖縄本島と宮古島の間の)宮古海峡を通航することが有力な選択肢になる。この行動を妨害、あるいは遅滞させることができればうれしい」

台湾の蔡英文総統

「自分が何をしたからといって…」台湾市民に広がる無力感

 ペロシ米下院議長の訪台、それに反発した中国が大規模軍事演習を実施して、情勢が緊迫したばかり。台湾の人々の間で、中国の武力侵攻に対する危機感は高まっているのか。

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「台湾グローバルビューズ誌が8月の中国による軍事演習を受けて実施した台湾世論調査では、市民の63.6%が、戦争の勃発を不安視しています。企業でも同様の回答が42%にのぼりました。いま、台湾では中国による武力侵攻について、これまでよりも活発に議論されるようになっています。企業も、学者や有識者を招いて意見を求めています。一方、市民たちは、不安を感じながらも、自分が何をしたからといって状況は変わらないという無力感にもさいなまれています。今まで通りに暮らすしかないのです」

 台湾の安全保障の第一人者が海峡危機について分析した、掲仲氏のインタビュー「台湾危機『自衛隊は一緒に戦って』」全文は、10月7日発売の「文藝春秋」11月号に全9ページにわたって掲載されている。

中国侵攻「自衛隊が一緒に戦ってくれれば…」台湾の安全保障の第一人者が語った“日本への期待”

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