芸人とゴミ清掃員の二足のわらじで環境問題に取り組む、マシンガンズの滝沢秀一さん。
コロナ禍で「エッセンシャルワーカー」として脚光を浴びるゴミ清掃員だが、かつては「ゴミ屋!」と罵声を浴びせられるなど、職業差別を受けたこともあるという。コロナ禍の続く中、滝沢さんの清掃員としての日常を聞いた。(全2回の1回目/後編を読む)
一番嫌なのは「夏場のペットボトル」?
――お笑い芸人の傍ら、安定収入を求めてはじめたゴミ清掃員の仕事が10年も続いているそうですね。
マシンガンズ滝沢秀一さん(以下、滝沢) 清掃員になったのは、妻が妊娠して「出産費用40万持ってこい」と言われたのがきっかけでした。芸人で売れたら途中で辞めようと思ってましたけど、この9月で11年目になります。
――続けていく中で清掃業にも面白さを見出したような感じですか。
滝沢 そうですね。まさにミイラ取りがミイラになるって感じで。
――ただ、体力的にはかなりしんどいお仕事ですよね。今年も酷暑でしたし。
滝沢 夏は本当にヤバいっすね。頭が痛くなりそうだと思ったらアルミホイルに入れて持ち歩いている塩をベロンとなめてます。梅干しも欠かせないので、ついに今年からは自分で梅干しを漬けはじめました。
――梅干しって買うと高いですよね。滝沢さんの清掃員としての一日はどんなスケジュールですか。
滝沢 僕は非常勤で働いているんですけど、常勤でないと、ゴミ収集に行く地域は毎回バラバラなんです。で、どの現場に行くにもだいたい5時くらいには家を出て、帰りは16時、17時くらいですかね。
――帰宅時間けっこう遅いんですね。午前中に終わって午後いちくらいには上がれるものだと思ってました。
滝沢 僕も最初そう思ってたし、ハードさをなめてましたね。初仕事のとき、朝ごはんをろくに食べないまま作業したらエネルギー不足で本当に泡吹いて倒れそうになったんです。それからは、朝起きたらまずレトルトカレーを大皿に山盛り2皿。それでも全然太りません。
あとは当日にならないとゴミの担当もわからないんで、それによって作業内容や帰宅時間が変わってくる感じです。
――「ゴミの担当」とは、可燃ゴミとか不燃ゴミといったゴミの種類のことですよね。担当するゴミの種類でテンションが変わるものですか。
滝沢 違いますね。たとえば夏限定で言えば、粗大ゴミは僕的にはラッキーな方。もちろん粗大ゴミには粗大ゴミの大変さはありますが、走って回収しなくていいのでクーラーに当たりながら回収できます。まあ、ケガの危険は一番高いんですけども。逆に一番嫌なのは夏場のペットボトルですね。
――ペットボトルは軽いし臭いとかもなさそうに思えますが…。
滝沢 夏場はペットボトルの消費量がハンパじゃないんですよ。ゴミが少なければ少ないほど回収時間は短くて済むわけですが、とんでもない量なので時間がめちゃくちゃかかるんです。