どの家庭からも必ず出る、ゴミ。身近な存在のはずだが、袋にまとめて集積所に持っていくだけで、ゴミについて詳しく知っている人は少ない。誰より詳しいのは、そのゴミを回収していく清掃員だ。

 ここでは、現役ゴミ清掃員でありお笑い芸人でもあるマシンガンズの滝沢秀一さんが、子どもにもわかりやすく「ゴミ」の裏側について書いた『すごいゴミのはなし: ゴミ清掃員、10年間やってみた。』より一部を抜粋。

 滝沢さんが10年間ゴミ清掃員をやっていて気付いた、ゴミの捨て方や中身と人間性の関係について紹介する。(全2回の2回目/前編に続く

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――ゴミ集積所はゴミを捨てるゴミ箱とは違う――

 え? どういうこと? 何が違うの?

 じゃ、よく字を見てごらん。集積所はゴミを集めて、積む、所、と書いてあるね。

 なのでゴミを直接ポイッと捨てるゴミ箱とは区別しなければならないんだ。集積所に置けるのは、きちんと袋や紐でまとめるなどした、定められた物のみ。

 それに、集積所はそこに住んでいる住人さんがきれいに管理をしている。だから集積所はその住人さんのものであって、自分の家にあるゴミ箱とは少し意味合いが違うんだ。

 ちなみに、もうひとつよくある勘違いは、僕らの仕事は集積所に積まれているゴミを回収することであって、街に落ちているゴミを拾うことではない、ということ。落ちているゴミは、なんでもかんでも拾うと思っている人もいるんだよ。それはそれで、別のそういう仕事がある。

 ゴミ箱だと勘違いされているものをもうひとつあげておくと、自動販売機の隣に置いてあるヤツ。ペットボトルや缶を捨てる箱。

 あれはゴミ箱ではなくて、リサイクルボックスとよばれる箱だから、買ったビン、缶、ペットボトル以外の物を入れちゃだめなんだ。なかにはひどい人がいて、おむつとか、いらなくなった目覚ざまし時計を入れていく人もいるらしいよ。

 集積所でもリサイクルボックスでも、ここに置いておけば、誰かがなんとかしてくれると思って、そこにゴミを置く。でもそれはポイ捨てだ。このポイ捨てされている物を見ていると、時代を感じるんだよね。

 ゴミって社会を映すんだ。

 コンビニでプラスチック容器に入ったコーヒーが出始めた頃は、よく集積所に飲み終わった後の容器が置かれていた。今でもたまにあるけど、出始めの頃はひどかった。