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『アダムス・ファミリー』知られざる“100年の物語”〈ぶっ飛んだ伝説のシーン、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のあの人…〉

2022/10/07

 いま再び『アダムス・ファミリー』が熱い! 「金曜ロードショー」(日本テレビ系)では視聴者リクエストで人気を集めた作品として、2022年9月30日に『アダムス・ファミリー』(1991年)、10月7日に『アダムス・ファミリー2』(1993年)が続いて地上波放映。この2本のハリウッド映画は、約30年経っても愛され続けているホラーコメディの名作だ。

 映画のヒットから派生した、ホンダの自動車「オデッセイ」のCMなども懐かしいところだし、あのリズミカルなテーマ曲はあまりにも有名。映画を未見の人でも、おそらく一度は耳にしたことがあるだろう。

 しかし『アダムス・ファミリー』という作品自体は、最初の原作漫画から含めると、非常に長い歴史があることは意外に知られていないかも? そしてここ最近、また新しいトピックがやたら続いているのだ。本稿では“早わかり『アダムス・ファミリー』”として、この驚異のロングランシリーズの全体像と有名なトリビアをざっとご紹介しよう。

さかのぼっていくと原型は1930年代から

 まず、『アダムス・ファミリー』の誕生はなんと戦前にさかのぼる。1930年代、カートゥーン作家のチャールズ・アダムス(1912年生~1988年没)が「ザ・ニューヨーカー」誌に描き始めたひとコマ漫画群がその原型だ。

『アダムス・ファミリー』の誕生、じつは1930年代にさかのぼる ©getty

 ダークユーモアあふれる彼の作品は、特にタイトルも決まっていなかったが、そのキャラクターたちの一部――不気味な屋敷に住む家族の物語が再構成され、1964年に米ABCテレビでドラマシリーズ化。

 その時に原作者の「アダムス」姓から、初めて『アダムス・ファミリー』という作品名が用いられた。いわゆるテレビ・シットコム(劇中に笑い声が重なる形式のシチュエーション・コメディ)番組の初期の人気作となる。

 このドラマシリーズ(当然、映像は白黒)は日本でも『アダムズのお化け一家』という邦題で、1968年から1969年にかけて、東京12チャンネル(現:テレビ東京)の海外ドラマ枠『怪奇コメディー』の第1作として放送された。

 主題曲はテレビや映画用のテーマやスコアで活躍した作曲家、ヴィック・ミジー(1916年生~2009年没)の代表曲で、今もおなじみのオリジナルである。その長命ぶりからしても、『007』シリーズのモンティ・ノーマン&ジョン・バリーが手掛けた「ジェームズ・ボンドのテーマ」(1962年発表)に並ぶ名テーマソングと言えるだろう。