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集結したキャストたち。中には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のあの人も…

 そして集結したのは素晴らしいキャストたち。魔女の血を引くアダムス家の母親、モーティシア夫人役には、アンジェリカ・ヒューストン。当初、スタジオ側が推したのはシェールで、彼女の起用が報じられた時もあったが、監督や製作陣は最初からヒューストンが第一希望だったという。

 アダムス一家の当主である父親ゴメズ役には、ブロードウェイ出身の舞台俳優として知られるラウル・ジュリアを抜擢。候補にはケヴィン・クラインやロビン・ウィリアムズなどの名前も挙がっていたが、『蜘蛛女のキス』(1985年)などの演技が高く評価されていたこの実力派は、子供たちにも親しみやすい娯楽作のコミカルな役柄をこよなく愛して演じた。

 おそらくアダムス家の一番人気キャラクター、誰もがその独特の佇まいと滲み出る知性に萌えてしまうであろう長女ウェンズデー役は、当時11歳のクリスティーナ・リッチ。無表情で邪悪な言動を繰り出し、クールでキュートな魅力を見せつけ、本作で一躍「ゴス少女」のアイコン的存在にもなった。

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 のちに『バッファロー'66』(1998年)など、作家性の強いアートハウス系の映画でも重宝されるようになる彼女。『アダムス・ファミリー』のオーディションの時は、母親から助言された『ビートルジュース』(1988年)のウィノナ・ライダーがイメージの念頭にあったという。

 またゴメズの兄、愛嬌ある禿げ頭がトレードマークのフェスター役にはクリストファー・ロイド。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)の発明家ドク役でおなじみの彼は、『アダムス・ファミリー』の原作の大ファン。

 ただ長身で痩身なため、オリジナルの小太りな外見に寄せることに苦労した。ファットスーツを着用し、仕草や歩き方の芝居を工夫した結果、ロイド流のチャーミングなフェスターが誕生した。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)の発明家ドク役でおなじみのクリストファー・ロイドも登場(左)。本来の長身で痩せた体をファットスーツで隠すなど、様々な工夫で役に寄せていった ©getty

 さらに本作のとりわけアイコニックなキャラクター、手だけの「ハンド」(英語では“Thing”と呼ばれる)の動きもなめらか! こうして新たにデザインされて、興行的にも大成功を収めた『アダムス・ファミリー』。