Q 真っ暗な山奥で見かけた「クマ注意」の看板…池上さんはどんな動物が「怖い」ですか?

 先日、妻と2人で山にドライブに出かけたところ、道を間違えて帰る頃には真っ暗。「クマ出没注意」の看板の立つような、うっそうとした木々に覆われた細い道を走ることになり、とても怖い思いをしました。

 記者時代を含めて、池上さんは様々なニュースの現場をご覧になってこられたと思うのですが、そのなかでも「この動物は怖い……」と印象に残った事件はありますか?(40代・男性・会社員)

A 島民の人たちが避難した後の島に入ったときのことです…

 なんといっても人間が一番怖いですね。

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 というのは、半分冗談ですが、私が怖いと思ったのは、1986年11月、伊豆大島の三原山が大噴火し、全島民が島外に避難したときのことです。

1986年11月の三原山。流出した溶岩で全焼した火口茶屋(下左側)と三原神社(同右側) ©時事通信社

 当時、私はNHK社会部の記者。島民が避難した後の島の様子を取材しろと指示され、ヘリコプターで元町に入りました。

 全島避難では、島民の人たちが、なくなくペットを置いたまま避難したため、多くのペットの犬が食料不足に陥り、野犬化していました。殺気立った多くの犬が群れをなしていた光景は忘れることができません。犬は好きなのですが。

火山噴火で住民が避難。残された島には野犬化したペットたちが… ©iStock.com