その回を聞いたナジャさんがたいそう喜んでくれて、ご自身のラジオ番組でそのことを報告していたのを僕は知っている。そのきっかけで一度だけ『ナジャとブラスのななめうえラジオ』という番組を文化放送でやったことがある。そこでナジャさんが「私6割か、いっても7割の力しか絶対出せへんねん。どうせ完璧にできへんし6割くらい満足したら100点や」と言ってたが、このゆるい感じ好きだわ。まさにグレーゾーンを生きてる感じがする。

女優・江口のりこが信用できる理由

 最近、テレビを見ていていいなと思ったのは、女優の江口のりこさんだ。朝の情報番組に出演した彼女は、カンペに書いてある自身の出演するドラマの番宣情報を嫌々読み上げ、司会者の質問にも「あー、はい、そうっすねー」と、心ここにあらずという感じで答えていた。

江口のりこさん ©共同通信社

 嫌な印象は与えないのだが、仕方なく番宣のために朝から稼働しているんだなということがありありと伝わった。番組が終わるときには、「あー! やっと終わったー! 」と言ってしまい、司会者も笑っていた。こういう嫌いなことに嫌いだという態度をとれる人は、信用できると思う。

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 言葉ではいくらでも嘘をつけるが、行動や態度に表れることは言葉よりも重い。その江口さんの等身大の自然な態度に、逆に好感を持てたし、僕はこういう人が好きだ。言葉だけでかっこいいことを言おうとしている人は、大体中身はなく、大したことがないことを知っているから。僕もたまにやっちゃうけどね。

 とにかく、過去に不倫をしていようが、スキャンダルがあろうが、“大体いい人〞ならいいじゃんと僕は思う。日本人としてあるべき姿、それだってオールモストで良いねん。