森川 たしかに、素材の良さをそのまま活かした“牧場牛乳系”の名店が北海道には多いですね。でもソフトクリームの良さは、素材の良さだけではありませんから。
――いま牧場牛乳系という言葉が出ましたが、ソフトクリームにはほかの種類もあるということですか?
森川 まずは、その地域ならではの要素を取り入れたご当地ソフトが挙げられ、たとえば広島の「もみじ饅頭ソフト」や、仙台の「ずんだソフト」など銘菓コラボ系というのがあります。
ほかにも果物系、チョコレート系、SNS映え特化系と、いろいろです。牧場牛乳系は王道だけど、ソフトクリームの世界はそれだけじゃない。結構多様なジャンルなんですよ。
――1箇所でいろんなタイプのソフトクリームを食べられる施設はありますか?
森川 都内だと、東京スカイツリータウン内の「東京ソラマチ」が一番バリエーション豊富です。2016年頃に徹底調査したのですが、当時ソフトクリームの取扱店舗数は20以上、150を超える種類がありました。牧場牛乳系、銘菓コラボ系、果物系、チョコ系と幅広く揃っているので、自分好みのソフトクリームに出会えるはずですよ。
それと北海道の新千歳空港は、「ソフトクリームのテーマパーク」です! 牧場牛乳系はもちろん、花畑牧場の生キャラメルクリームをたっぷりかけたもの、人気洋菓子店「ルタオ」のチーズケーキと合わせたものなど銘菓コラボ系も充実しています。
数年前のデータにはなりますが、自分がカウントした結果、ソフトクリームの取扱店舗数は27、ソフトクリームの種類は126でした。
ドバイで出会った「10万円のアイスクリーム」
――ソフトクリームのコーンが苦手なんですよね……。コーンまでおいしいソフトクリームはありますか?
森川 近年は手焼きコーンのお店が増えてきています。北海道北広島市の「地球のアイス」は、ソフトクリーム自体も牧場直送の牛乳を使ったものをカルピジャーニで提供していて高クオリティなんですが、ワッフルコーンがそれだけで食べたいくらいおいしい! 口の中でほろほろっと優しく砕けます。
札幌にある「ましゅれ」も、洋菓子屋さんなだけあってワッフルコーンがひとつの焼き菓子として完成されている。
東京だと幡ヶ谷の「メゾンドミィモ」は、コーン代わりにラングドシャクッキーを使っています。ソフトクリームのジャンルとして、“コーンにこだわり系”もありますね。
――イナゴの佃煮をあしらった「バッタソフト」(長野県諏訪市)など、インパクト勝負のソフトクリームもありますよね。そういった変わり種で森川さんが感心したものはありますか?
森川 香川県の「こんぴらしょうゆ豆本舗」が販売している「かまたまソフト」です。ソフトクリームを細く抽出して、まるでうどんのような見た目をしています。
そこに醤油とネギを乗せていて、これは思わず買って写真を撮りたくなる魅力がありますよね。ただ、醤油はともかくネギとソフトクリームの組み合わせは好みが分かれるところだと思います(笑)。
――ところでドバイで10万円のアイスクリームを食べたことがあるそうですね。