「著者の井上さんはネットで大人気の料理ブロガー。私も前著・通称『オッサン弁当』の愛用者でした」(担当編集者の井上敬子さん)
お弁当哲学を共有する筆者と編集者が、本当に使えるレシピ本を目指した結果、「(1)味がかぶらないよう塩味、カレー味、梅味など本邦初の“味別”構成。(2)季節にかかわらず、通年手に入る野菜・肉・魚計20品と、どの家庭でも冷蔵庫に常備してある食材16、調味料8種に材料を限定。井上さんの創造力で、201のレシピを載せることができました」
本書がユニークなのは、“ほめられたい”という作り手の声なき願いを取り入れたこと。日本人の弁当はただお腹に詰め込むだけじゃない。お弁当を食べる家族がどう思うか? 自分のためのお弁当であっても、職場で開けたときにそれを見る“誰か”がいる。
「梅干をハート型にして白ご飯の上に置いたり、枝豆や缶詰のコーンのような水玉の形の食材を散らすだけで、印象が変わります。見方がシビアな中高生の女子にも喜ばれます」
特に料理上手でなくても、この本を眺めていると、全品、作れるような気になってくる……聞けばレシピ写真の多くはカメラマンでなく、著者が自宅で撮影し、器もお弁当箱も実際に使っているものを載せているとのこと。この徹底したリアル感と使い勝手のよさで、順調に支持を増やし、今月5万部を突破した。
2015年9月発売。初版1万部。現在13刷5万4000部