〈あらすじ〉
2003年冬。13歳のファンイー(ケイトリン・ファン)は、母(カリーナ・ラム)と9歳下の妹(オードリー・リン)とロサンゼルスで暮らしていたが、母の乳がんの治療のために台湾に帰郷。父(カイザー・チュアン)と、家族4人で暮らすことになった。
台北の名門女子校に転入するも、なかなか馴染むことができず苛立つファンイー。さらに術後で体調が悪く、再発の不安を抱える母との関係も悪化。その不満をブログに綴って気を紛らわしていた。それを読んだ教師からスピーチコンテストへの出場を勧められ、前向きに準備をするが、コンテストの前日に妹が発熱。SARSの疑いで病院に隔離されてしまい……。
〈解説〉
病気の母を持つ少女の心の揺れを描く。ロアン・フォンイー監督の半自伝的な長編デビュー作。第58回金馬奨で10部門ノミネート5部門受賞。101分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆母への思い、馬への愛、帰国子女としての違和感。静かな映画ながら、話を盛り込みすぎて、説明的になったのが残念。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆望まぬ帰郷に巻き込まれた少女の不如意と疎外感が丁寧に描かれる。アンサンブル芝居に馴れ合いがないのも好ましい。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆家族の都合で振り回される思春期の心の痛みを描いているのか、誰にでもありそうな話だが共感するほどでもなかった。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆カルチャーギャップと思春期の棘。家族間の衝突で生じる引っ掻き傷。クロエ・ジャオやルル・ワンに続く新鋭監督に注目。
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洞口依子(女優)
★★★★☆故郷に戻る少女と母。現代と過去。白い馬。2000年代初頭の時代の感触、家族が経験する感情を著しく表現する映像の純美。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『アメリカから来た少女』(台湾)
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