〈解説〉
香港映画界を長年にわたって牽引してきた7人の監督が、ジョニー・トー監督の呼びかけのもとに集結したオムニバス映画。1950年代から未来まで、10年ずつ年代を分けて担当した7本の短編は、全て香港を題材とし、35ミリフィルムで撮影されている。
50年代を舞台にした「稽古」は、カンフー映画の巨匠サモ・ハン監督が戯劇学校時代のエピソードを紡ぐ。アン・ホイ監督の「校長先生」は、60年代の小学校を舞台に教師と生徒たちの絆を描く。ほかに、香港ニューウェイブの旗手パトリック・タム、『マトリックス』のアクション監督を務めたユエン・ウーピン、アクション・ノワールの巨匠ジョニー・トー、これが遺作となったリンゴ・ラム、“香港のスピルバーグ”の異名を持つツイ・ハーク。フランシス・ン、サイモン・ヤム、ラム・シュらベテラン俳優たちも多数参加。111分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆7人の監督による7編の映画。それぞれ短編になるわけだが、ラストの「深い会話」が面白く、好み。他はやや物足りず。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆オムニバスというよりコースで供される7皿の料理。皿と皿とが響き合い、哀惜だけには留まらぬ流れをもたらしている。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆7つの面白さがギュッと詰まって気分転換にはもってこい。監督たちの趣味か、どのヒロインも美しいだけなのが玉に瑕。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆郷土に贈る名匠たちのバトンリレーで、質の高い短篇が並ぶ。香港映画の多様性を巡るガイドツアーの趣もあり楽しい。
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洞口依子(女優)
★★★★☆袁和平(ユェン・ウーピン)監督と元華(ユン・ワー)の部分は香港カンフー映画好きにとって至福の瞬間。糖衣的甘さあれど香港映画史に敬意と愛情を捧ぐ。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『七人樂隊』(香港)
新宿武蔵野館ほか全国順次公開中
https://septet-movie.musashino-k.jp/